まみ めも

つむじまがりといわれます

とりあえず麺で

こないだの週末、校庭でこどもたちが準備体操をはじめたら、ひらひらと舞い込んできた小鳥があって、羽ばたいても高くとばずにそこらにいる。近くでみてみたら淡い青色のセキセイインコだった。ひとに飼われていたのかちょんちょんと寄ってくる。あぶないので、手を差し出すと、乗ってきて、そのまま肩や首にとどまっている。警察に電話をして保護してもらうまでに、なにかあったときにはうちでという気持ちになったけれど、そもそもの権利は学校にあるらしく、おまかせをした。ふみちゃんはすっかりかわいくなってしまったようで、インコが欲しいとずっといっている。

卜。

読んだら最後、食べに走らずにはいられない。

麵類。その底知れぬ魔力とは何か。人気食べ物エッセイ「丸かじり」シリーズ計43巻1514篇から選んだ麵、麵、ぜんぶ麵の傑作選。

東海林さだおの、どうでもいいことにどこまでもひとりでこだわりながらふと詩情がかすめるような文章がたまらない。

芥川龍之介の桃太郎

夜のうちに雨がざあっときて、眠りながら雨音をきいているのはなんだかしあわせに似ている気持ちがする。

夏休みのさいごに、いなかでたこを持たせてもらったので、たこ焼きのできるホットプレートを買って、たこ焼き、お好み焼き、餃子、ビビンパととにかく焼いて焼いて焼きまくる。水産高校の先生をしているいとこの結婚相手のおかげで、たこの雄と雌を見分けられるようになった。

卜。

桃から生れた桃太郎は、鬼が島の征伐を思い立った。なぜかというと、お爺さんやお婆さんのように、山だの川だの畑だのへ仕事に出るのがいやだったせいである。現代の世の中を暗示するような、ダークすぎるおとぎ話。

山だの川だの畑だののほうがよっぽど楽しそうなので鬼退治にはいかないと思う。

編めば編むほどわたしはわたしになっていった

アンピルの北上で予定を一日はやめて、木曜日の夕方にむこうを出発して、日付が変わるころ家に帰った。サービスエリアで夕飯をたべたあと、しばらくいくと打ち上げ花火があがるのがみえた。せいちゃんが、俺が頼んだソースかつ丼がもっと早く届いていたらみれなかった花火だといばってみせる。花火に浮かれていたら、分岐をまちがえて遠回りをするはめになった。麻績でおりて灯や人気のない道の峠越えをしたらこどもたちがすっかりびびって、せいちゃんはソースかつ丼を頼むんじゃなかった、と頭を抱えていた。ふみちゃんはふみちゃんで、おかあちゃん、にせもののおかあちゃんじゃない?と言い出すのでわらってしまった。本物か偽物か、ときかれたら、まったく自信がない。

ト。

ずっと息苦しさを感じていた少女は、いかにして編みものの世界に自分の居場所を見つけたのか? 読む人それぞれの「あの頃」がよみがえる、極上のエッセイ集。書き下ろし全29編を収録。

メールでお友だちに送っていたエピソードをまとめた本とのこと。不器用だけれど、すきを持ち続けているから強いのだと思う。

体育がきらい

1週間の夏休みを手に入れて、白馬で一泊してから実家にもどってきた。げんちゃんが飼っているかぶとむしのめす(めすくん)もいっしょに連れてきたら、夜はずいぶんはげしい音をたてるので、虫かごから飛びだしているのではとどきどきしてしまった。石川に戻り、めいっこたちとプールにきて、ひとり日陰で本を読んでいる。有線放送で竹内まりやが流れている。去年は徳永英明をきいていた。似たような夏休みを繰り返しながら、戻れない日々を積み重ねる。

卜。

走っているところや失敗した姿を見られると恥ずかしい。「体育なんかきらいだ!」という児童生徒が増えている。なぜ、体育ぎらいは生まれてしまうのか?体育ぎらいの原因や背景を体育の授業や先生、運動部活動、スポーツ、運動といった観点から考え、「体育」のもつ本当の意味や私たちの「からだ」の豊かな可能性を示す。

逆上がりは人生で三回くらいしかできたことがないのだけれど、たまたまできた一回を体育教師にみつかってしまい、学級全員の前に出て拍手をされるということがあり、人生最大級規模のいたたまれなさを味わった。あのとき、プールサイドで日陰にいる側の人間だということを強く自覚した気がする。体育のない世界にきて、すこしほっとしているけれど、鈍重なからだからはいつまでも逃れられない。

夜のピクニック

夏休みに突入し、ばたばたと毎日がすぎる。小中学生三人がそれぞれにあちこちへ出かけたり、家にいれば仕事をしていてもおかまいなしに話しかけてきたり、友だちが急に泊まっていったり、なんだか落ちつかない。

せいちゃんとげんちゃんが映画にいきたい、というので、キングダムを観てきた。開始10分でげんちゃんが「こわい〜」と目を覆いだしどうなることかと思ったけれど、途中二回のトイレをはさみながら最後まで見届け、そのあとは「てんかのだいしょうぐんになる」と言っている。せいちゃんは、もう新作がみられない、とちょっとがっくりしていた。大沢たかおがすごかった。

卜。

高校最後のイベントに賭けた一つの願い。あの一夜の出来事は、紛れもない「奇跡」だった、とあたしは思う。ノスタルジーの魔術師が贈る、永遠普遍の青春小説。『小説新潮』隔月連載を単行本化。

ありそうでなさそうで、でもきっとこんな高校生活があるんだろうな。

18歳までに子どもにみせたい映画100

出張のあいだ、家のことが不安でお母さんを呼び、週末までいてもらった。ふみちゃんの誕生日は前夜祭のお祝いで、手巻き寿司と桃の缶詰ケーキ。帰る日の朝に洗濯をして、昼前にかわいたものを取り込み、荷物をまとめて、ふたりでコンビニに発送にいった。ついでにアイスを買ってコンビニ前の灼熱のベンチでおやつ。あずきバーと、チョココーティングのアイスクリーム。お母さんはまめでしっかりしているけれど、とけたアイスクリームをたらして洋服を汚していた。汚しちゃったね、というと、こういうときのために着替えを一着のこしてあると胸を張った。しっかりとしっかりじゃないのバランスが絶妙。午後、駅前まで見送り、線路沿いからホームのお母さんにおおきく手を振って見送った。

卜。

親子で楽しめる、決定版映画ガイドブック。学校では教えてくれないことも大切な歴史や文化もすべて詰まっている映画を、さまざまなテーマに沿って100作品を厳選、関連作を合わせて全300作品を掲載する。

スター・ウォーズインディ・ジョーンズはいっしょにみたけれど、そもそもみんなが座って映画を見る時間がなかなかなくなってしまった。こどものころはお正月に家族みんなで映画館にでかけて、外でごはんをたべて帰ってきたのを思い出す。

絶景本棚3

二泊三日で学会に出してもらい博多へ。博多祇園山笠で、活気がある。飾り山が鮮やかで、街角が賑やかだと思ったら神輿をひっぱっていて、まわりから水をぶっかけられていた。八時になっても明るい。初日は友だちと丸秀本店から牧のうどん、二日目はひとりでラーメンと餃子とビール。行きも帰りも飛行機は窓側で富士山がみえた。おみやげは通りもんとサンリオの二〇加煎餅。

卜。

荘厳美麗なすっきり本棚から、ひたすら集めたこだわりのマニア棚、日々調整中のテトリス棚まで、36人の本棚風景をオールカラーの写真で紹介します。『本の雑誌』連載を再構成し単行本化。

岸本佐知子の本が、とか、書いてあるので、必死で探したくなってしまう。