まみ めも

つむじまがりといわれます

ブックオフ大学ぶらぶら学部

げんちゃんの歯科健診で虫歯が見つかってしまった。よーく見ると、前歯がとけて欠けたみたいになっている。かわいさに負けて好き放題におっぱいをやっていたのがいけなかった。ちょっと勿体ぶってみたら手をつっこんで引きずり出して飲んでいて、なかなか手ごわい。手ごわいの中にいじらしさがあるのがいけない。やめるのは、そっちなのか、こっちなのか。

ト。

夏葉社の島田潤一郎による個人レーベル「岬書店」からの3冊目。全国各地に店舗を構え、書店でもなく、古書店でもなく、図書館でもない、我々の町にある新古書店ブックオフ。ホホホ座の山下賢二や、BOOKS 青いカバの小国貴司、古書ビビビの馬場幸治ら8名が、ブックオフについて書き下ろしたエッセイや漫画を収録。新刊書籍。

[目次]
武田砂鉄 ブックオフのおかげ
山下賢二 その時、人は無防備で集中する
小国貴司 ブックオフは「暴力」だ。
Z ブックオフとせどらーはいかにして共倒れしたか
佐藤晋 私の新古書店
馬場幸治 ブックオフに行き過ぎた男はこれからもブックオフに行く、そして二十年後も
島田潤一郎 拝啓ブックオフさま
大石トロンボ よりぬき新古書店ファイター真吾

ブックオフの棚の前で感じるときめきがだんだんと目減りしてきた理由がなんとなくわかってしまった。それでも久しぶりに「ブ」したくなる。なんやかんやで一番楽しいのはレシピ本のコーナーで、買うわけではないけれど、辻希美小倉優子の本があるとき何冊も並び淘汰されていくさまに、いまを感じたい。

あとは切手を、一枚貼るだけ

げんちゃんの熱がさがってほっとした翌日にせいちゃんがごほごほやり出し、休みに次ぐ休みで今週はほとんど仕事にならんかった。風邪にアレルギー性鼻炎。みんななんとはなしに冴えない体調を抱えている。休んだ日、うらうらとした天気がもったいなくてふとんや毛布を悉く干す。ふかふかになった厚手の毛布を惜しみながらしまう。冬の名残りとさよなら。とりこんだあとで雷雨がきてどきっとする。ぴかぴかの一年生をそこらで見かける日だった。

あとは切手を、一枚貼るだけ (単行本)

あとは切手を、一枚貼るだけ (単行本)

 

ト。

かつて愛し合い、今は離ればなれに生きる「私」と「ぼく」。2人を隔てた、取りかえしのつかない出来事。14通の手紙に編み込まれた哀しい秘密とは…。『アンデル小さな文芸誌』連載を単行本化。

三月の図書館で「手紙」を題材にした本棚が作られていて、そこから手に取った一冊。離ればなれのふたりを淡くつなぐ濃密なことばたち。

暗がりで本を読む

庭にいちごの株をみっつ植えたうちのひとつに、花がついている。白い花びらが落ちたあとに実がふくらんできた。いつのまにかブルーベリーも鈴のようなちいさな花を垂らしている。実家の庭の木蓮が咲いたという知らせが来て、季節は順繰りに巡っていくのだなと思う。

日曜からげんちゃんの調子が悪く、お医者にいって、ずるずるお休み。風邪か突発性発疹だろうという。おひなさまをやっと片付けた。

暗がりで本を読む

暗がりで本を読む

  • 作者:徳永圭子
  • 発売日: 2020/10/23
  • メディア: 単行本
 

ト。根暗なタイトルがいい。

外国文学、日本文学、エッセイ…。ひっそり本屋さんの棚で手にとられるのを待っている本たち。書店店頭に立つ著者が、凛々しく透明感のある文章でさまざまな本を紹介する。『本の雑誌』ほか掲載に書き下ろしを加えて書籍化。

暗がりで本を読んでいて、母によく叱られたことを思い出す。あの頃にはどんな本を読んでいたのか、いまとなってはまったく思い出せない。数年前から、読んだ本の表紙をときどき写真に撮っているのだけれど、過去の本の表紙をみても中身を思い出せないことのほうが多く、残らないという点では一貫性があるらしい。

天使のとき

主義主張というものがあるとするなら、みずからにチュニックを禁じている。チュニックを着るようになったらおしまいだ。いくらチュニックが古代ギリシャ・ローマの由緒正しい語源の衣服だとしても。チュニックはなんたって着る人を選ぶので、生まれ変わって新垣結衣蒼井優(チュニックが似合うふたり)になれたら、そのときには堂々とチュニックを着て町に出よう。

この間、久しぶりにぶらぶらしながら洋服を見 眺めたりしたのだけれど、なにを着ても違和感のある中年期につき、鏡で合わせてもことごとくピンとこない。選ぶことも面倒になってきたところで、一枚だけ気に入ったものが見つかりワンピースを買った。チュニックはだめでもワンピースは良いことになっている。ワンピースはなにも考えずに一枚だけ着れば完結するところもよろしい。せっかく買ったのにもったいなくてまだ着ていない。

天使のとき

天使のとき

  • 作者:佐野 洋子
  • 発売日: 2008/12/05
  • メディア: 単行本
 

ト。

「一生に一度だけ、春画を描きたかった」。著者が遂に刊行を決意した衝撃の家族のシュールな物語。チチとハハはうなぎ丼を食べ、かやの中でまぐわい、アニとイモウトは生まれた。ハハに愛されるアニ、ハハに憎まれる私。ぽいっと捨てられるチチとハハ。話題の『シズコさん』につながるハハとの葛藤をえがき、幼き日々のアニとの幸せな交歓が詩的に表現される。柔らかでエロティックなエッチング12枚つき。

家族のなかに渦巻く残酷さをそのままに。向田邦子が、家族は最悪のところ殺し合わなければいいといっていたのだから、これでいいのだと思う。

蠅の王

しばらく行っていなかったら、おかしのまちおかの棚から「花のくちづけ」の居場所が消えていた。申し訳ないことをした。しかたがないので二番手の純露を買った。薔薇のサプリメントで体から薔薇の匂いがするようになるというのを見かけるけれど、花のくちづけを舐めまくっていたら、ミルクとスモモのにおいにならないかな、それより先に虫歯になっちゃうか。

変則的な土曜出勤にあわせて桜が溢れそうに咲いている。桜の下で立ち止まり見上げる。一方で庭の片隅にクリスマスローズがひっそりと咲いている。ボーナス減額のしらせで一挙にやる気がなくなる。もともとやる気なんかないと思っていたのに、さらになくなったことに我ながら驚く。

飛行機が墜落し、無人島にたどりついた少年たち。協力して生き抜こうとするが、次第に緊張が高まり、暗闇に潜むという<獣>に対する恐怖が募り…。ノーベル賞作家の代表作を新訳で紹介する。

しばらく前に義姉からこどもたち宛に送られてきた本の中の一冊。あらすじもなにも知らずに読んだらユートピアが裂けて淵をのぞかせるディストピアの深みがものすごかった。

佐野洋子対談集 人生のきほん

せいちゃん、日曜にサッカーをやっていて鼻の骨を折って帰ってきた。月曜に再診。1.5ミリほどずれているけれど、元通りに治せるものでもないといわれたらしく、そのまま経過をみることになった。「僕の鼻があと1センチ高かったら歴史が変わったっていわれるかなあ」と呑気なことを言っていた。

春休みを控えて給食が終わり、お昼の支度をして家を出ている。初日はきつねうどん、ふつか目はコロッケサンド、今日はハンバーグ。

ト。

100万回生きたねこ」を通してめぐりあった佐野洋子西原理恵子リリー・フランキー。抱腹絶倒トークの向こうに、「生」への真摯な思いが炸裂する…。佐野洋子最後の言葉を収めた対談集。

二十年近く前に父が従兄弟の結婚式でやったスピーチを思い出す。母との結婚式でどんな家庭を築きたいか尋ねられ「平凡な家庭を築きたい」といったこと、そして平凡な家庭を築くのはすごく大変だったという話をした。あれが、お父さんのスピーチのなかで、一番よかった。佐野洋子も「平凡な人生を全うするのは、ものすごく至難の業」といっている。父はおかげさまで平凡なままでは人生を全うせず、最期はいよいよものすごかったけれど、いいこともたくさんあったので、これでよかったのだろう。

女ざかり

先週、一日の休みをとって半年に一度の通院。受付を済ませて採血をしてもらい、いったん外に出てロイホでモーニング。スクランブルエッグのプレート。ドリンクバーでバンホーテンのココアをおかわり。ロイホがよすぎて、ロイホのプレートっぽさという側面で皿を探し続けている。

女ざかり (文春文庫)

女ざかり (文春文庫)

 

ト。

美しい女主人公・南弓子は、大新聞の論説委員。書いたコラムがもとで政府から圧力がかかり、論説委員を追われそうになる。弓子は、恋人の大学教授、友人、家族を総動員して反撃に出るが、はたして功を奏するか。大新聞と政府と女性論説委員の攻防をつぶさに描き、騒然たる話題を呼んだベストセラー。

丸谷才一の小説をそういえば読んだことなかった。ちょっと前に米原万里の本で丸谷才一の小説を激賞していたので借りてみる。鮮やかな女の生きざま。しばらく頭のなかが旧仮名遣ひになる。小説中のコラム「ゼロ発信」が赤瀬川原平の小説のタイトルと同じことを知つてしまつたので、そちらも読まなくちや。しやれた装丁は和田誠