まみ めも

つむじまがりといわれます

ナパーム弾の少女

お誕生日があった先週末はバナナとチョコレートクリームのいつものビスケットケーキを作った。チョコレートをとかしてデコレーションをしたけれど何度やっても不器用でよれよれの文字で名前と年齢と西暦をしたためたところ、写真を見た同僚の感想が「怖い」だった。みみずが這うような文字とはこういう字のことかもしれない。

ト。

大火傷からの奇跡の生還、反米プロパガンダの「道具」としての生活、留学先のキューバでの結婚、西側への亡命…。ナパーム弾の爆撃直後に撮られ、ベトナム戦争の真実を世界に知らしめた「写真の少女」のその後の人生を追う。

写真にうつっているのは瞬間だけれど、その前にも後にも人生があって、写真以上に容赦ない。

再婚生活

お父さんの命日には町に繰り出して酒を飲んだ。亡くなったあとの一年は季節のめぐりがしんどくて、お父さんのいない春夏秋冬を噛みしめていたけれど、喪失感がだんだん自分の一部になっている。クマノミズキのはちみつの柿柚子はまだちょっと作れないでいる。

辛いことがあったとき.大切な人に「苦しみはどうしてるのか」と尋ねたら「できるだけ見ないようにする」「じゃあ悲しみは?」と尋ねたら2秒くらいじっとした後「しまっておく」と静かに答えてくれた。「いたずらに取り出さないということね?」ときいたら「そう」。このやりとり思い出さない夜はないね

命日があけた祝日、川上未映子のつぶやきがとても沁みた。しまっておいて、ときどき取り出す。

ト。

直木賞受賞、山手線円内にマンションを買い、再婚までした。恵まれすぎだと人はいう。人にはそう見えるんだろうな。夫婦という葛藤。涙する心と孤独の病、鬱。病んだ心が静かに恢復してゆく。著者3年の沈黙を破る告白日記。 

痛みやしんどさは誰とも分け合えないんだよな、ということは、いいことでもありよくないことでもある。

大好きな町に用がある

この二週間で五回も弁当の日があり、金曜日月曜日土曜日月曜日とどめの木曜日は前夜に帰宅してから明日は弁当と知って絶望していたら近所の友だちが冷凍食品の海老ドリアをわけてくれた。ケチャップライスに卵ひとつ分の薄焼きたまごのオムライス、ウインナーとお花の型抜き人参を焼き、ブロッコリーともらいもののドリアを入れて五回目のべ七個目のお弁当を達成。

朝の冷え込みがつよくなり、朝焼けがきれいになってきた。思い出したようにThe 1975を聞いている。

ト。

はじめて降り立つ場所は不安だけれど。マドリッド、香港、プノンペンボルドータオ島バンコク台北、シンセレホ…作家・角田光代が胸を去来する幾重もの旅の記憶を綴る。

どこにもいかない日々の中でよその町についての話を読む。

まともな家の子供はいない

ふくちゃんの社会科見学、ふみちゃんの遠足とお弁当が続く。イベント弁当のときはリクエストを紙に書いてもらう。

 

ふくちゃん

チャーハン

てりやき

コーン

トマト

ブロッコリー

人じん

ゼリー

たまごやき

 

ふみちゃん

ウインナー

ブロコリ(まよねず)

にんじん(おはなのかたち)

おにぎり2こ

たまごやき

えだまめコーン

 

カタカナが苦手なふくちゃん、ブロッコーリと書いてからブロッコリーと書き直していた。カタカナを習いたてのふみちゃんはブロコリ。まよねずを絞って詰める。ふたりともぴかぴかに平らげたお弁当箱を持ち帰ってきた。

ト。

気分屋で無気力な父親と、そのご機嫌取りに興じる母親、周りに合わせることだけはうまい妹…。14歳のセキコの不穏な日常から浮かび上がる大人と子供それぞれの事情。表題作ほか全2編を収録。

まともな家の子供はいない p3-151

サバイブ p153-220

「くそったれって思ってるのはあたし一人」のお話。お好み焼きソースと卵だけの炒飯を、そのうち作って食べたいと思った。

中年危機

金木犀が二度目のにおわせをしていた週末に運動会があった。密予防で午前と午後の二部制で、各家庭からひとりしか入れないので、校庭のフェンスの外には中を覗く人だかりができていて、本末転倒になっている。こどもたちには真っ赤なソックスを膝下まであげてもらっていたのだけれど、せいちゃんの自己申告したリレーの順番がまちがっていて、あっと気づいたときにはバトンを渡す瞬間だった。ひとり抜いたところは見られなかった。色んな人から、抜いてたね!と声をかけられるけど、見ていない。お昼はピザを買ってきて、夜は餃子。

ト。

中年期になると人は「何かが足りない」と不可解な不安に駆られる。夏目漱石大江健三郎など、日本文学の名作12編を読み解き、登場する中年たちの心の深層を探る。日本を代表する心理療法家による、色あせない中年論。

漱石が描く中年たちに久しぶりに再会したくなった。

アレグリアとは仕事はできない

今年の金木犀は二峰性で、あっという間に終わってしまったと思ったら思い出したようにひとしきりにおわせている。これで本当に秋のはじまりも終わりかな。

朝、見失ったコンタクトレンズを洗面台の前でひとしきり探したあとであきらめて新しいパッケージをあけたのだけれど、24時間たってひとみの中からたたまれた状態で出てきたのでびっくりしている。可能性というか、物語がはじまる予感めいたものがないこともないけど一体なにがはじまるというのか。f:id:mumemo_mami:20221021063545j:image

ト。

品番YDP2020商品名アレグリア。どうしてこんなに使えない機械を入れたんだ? 1台のコピー機が社内の人間関係をあぶりだす。そして事態は思いもかけない方向に発展し…。

アレグリアとは仕事はできない

地下鉄の叙事詩

いらいらする人を書かせたらピカいちの津村記久子。どうしてこんなに使えない人がマネージャーなんだ?の世界にいるのでケーブル引っこ抜きたい気持ちはよくわかる。

バイ貝

先週の水曜日はせいちゃんが埼スタで試合をするので休みをとって家族でバスに乗り応援にいった。入場のゲート前でチケットを家に置き忘れてきたことを知らされ、げんちゃんがベビーカーの上で立ち上がりひっくり返って鼻血を噴出し泣きわめき、ふたりで血だらけになりながら(仮)のチケットを再発行してもらった。せいちゃんの名前の場内アナウンスはきけなかったけれどキックオフにはまにあってほっとした。大きなフィールドに散らばるこどもたちはみんなにこにこしていた。引き続き浦和レッズの試合をみて(スタジアムのビールが高くて白目をむいた)、家について次の日の弁当をつくって日付が変わってから寝た。

ブ。220円。

今を生きるには、飽くなき消費を続けるしかないのだろうか…。溜まりゆく鬱を散ずるため、「私」はホームセンターに向かった。果たして鬱を散ずることはできるのか。超言語激烈文芸作品。『小説推理』掲載を書籍化。

鬱とハッピーのバランスを取ることの難儀さよ。あしたは月曜日(しかも天気がよくない)で相当の鬱が確約されているので、鞄にはハッピーの担保として本とみかんをいれる。