まみ めも

つむじまがりといわれます

新幹線から見えたすき家へカレーを食べに行く

こどもたちの夏休みがあけた。夏休みのあいだはげんちゃんとときどき宿氏のお弁当をつくっていたのが、新学期にせいちゃんのぶんが増えてみっつ。あしたから給食がはじまるとふたつに戻る。お弁当がバトンタッチしているあいだはふたりともが好きなおかずを入れる。きょうだいで好き嫌いがちがい、決まった野菜しかたべないげんちゃんは、給食のない夏休みのあいだに口内炎ができていた。最終日はリクエストにこたえてたこ焼きをおかずにした。

新学期の朝は荷物が多く、ランドセルのほかに手提げをみっつぶら下げて校門でわかれる。手提げの紐がやたら長くて地面につきそうにしながらよたよた校内へ歩いていくうしろ姿をみながら、ふつうの母親ならこんな不自由な手提げは持たせないのだろうと思う。

夏休みだし、力の抜けたものが読みたくて帰省の荷物にいれた。プールサイドで、うとうとしながら読む。スズキナオを読むと、知り合いのひとりに似た雰囲気が立ち上がってきて、彼に会っているようなうれしさがある。新幹線から見えるすき家へカレーを食べに行くようなひとが知り合いにいるのは、ちょっといい気分がする。

あの人と、あのとき、食べた。

夏休みがあっという間におわってしまった。プールとプールとビールと水族館と東尋坊。恒例のプールサイド読みをしながらうとうとしてるとき、この時間が永遠ならよいのにと思う。有線放送で聞き覚えのある歌をききながら、なにかわからないままにしておく。

ト。

みんなで食べたお正月のうどんすき、夏のしゅわしゅわの喜び、イギリスで出会った個性的な店主たち、父のお気に入りだった牛肉とトマトの炒め煮…。忘れられない人々との「食にまつわる記憶」を描きとめたエッセイ集。

食べものの思い出はすべてノスタルジーだなと思う。お母さんがはじめてホットケーキを食べた日に、ケネディ大統領が暗殺されたという話を思い出した。もっと覚えておくべきことがあるはずなのに、こういうことばかりが記憶の容量を支配している。といいつつ、忘れたくないとも思っていたりして。

がんばれヘンリーくん

10日ぶり二度目の整形外科へ。なんらかのごたごたがあったらしく、この間とは違うお医者にみてもらう。股関節の痛みがだいぶおさまっていることを告げると、もう安静にはしなくてよく、これからはできるだけ左を使ってくださいといわれる。左をうまく使えていないから変な力がかかって腱に炎症がおきるとのこと。台所仕事や歯ブラシをしながら左だけで立ってみたりする。うまく使えている気はぜんぜんしない。痛み止めをきらすと、鈍い痛みがもどってくる。

引っ越しをして、よその庭に百日紅が咲いているのをみると、ぐっとくるものがある。前の家の庭にあった百日紅をかなりにくからず思っていた自分に気がついてしまった。

卜。

ヘンリーくんは小学三年生。どこにでもいる、ごくふつうの男の子です。ある日、街角でやせこけた犬を拾い、こっそりバスに乗せて家までつれて帰ろうとしましたが、とちゅうで犬があばれだして大さわぎに…。それいらい、ヘンリーくんのまわりでは、次つぎにゆかいな事件がおこります。

ヘンリーとアバラー

百万びきのグッピー

ヘンリーと夜のお客さま

みどりのクリスマス

うすもも色の犬

ひろったものはその人のもの

そろそろかと思い、げんちゃんとヘンリーくんシリーズをよみはじめた。数年ぶり四度目に出会うヘンリーくん。ちょっと早かったようで、読み聞かせをしている。読み聞かせははじめてで、目で読んでいたときには気づかなかったおもしろさと読みにくさがある。おもしろいところは二回声に出したくなる。アバラーをいれた箱に書いてあったフレーズとか。いつか原文でも読んでみたいと思う。

 

 

カレーライス物語

ふみちゃんはいちごと卵が大好きなのに、お誕生日の七月にはいちごは出回っていなくて、いつもお誕生日ケーキに難儀する。ことしは冷凍いちごをつかって、タルトを焼いた。冷凍いちごをジャムと煮て、甘くして、つやつやしたのをカスタードの上にもりもりにのせた。赤いいちごがお気に召したようでよかった。

図書館でだんごむしの本を借りたら、げんちゃんのスイッチがはいり、庭でだんごむしをつかまえ、前の家の更地になったところにも遠征をして、たくさんのだんごむしを虫かごにいれて、はっぱや石をおいて、飼いはじめた。ふみちゃんもだんごむしが好きなので、つられて飼いはじめた。げんちゃんは、夢のなかもだんごむしのようで、ひっくりかえって、あしをばたばたして、つちにあしをひっかけてもとにもどる、というようなことを寝ごとで言っていた。今朝のぞいたら、白くてちいさなだんごむしがたくさん歩いていた。

卜。

抗いがたきカレーの香 東 直子

一さじのカレーから 若竹 千佐子

カレーは家庭のドラマである 嵐山 光三郎

ゴールデンカレーの晩餐 泉 麻人

最近のカレー 平松 洋子

カレーライス-ザ・国民的日本食- ねじめ 正一

最後のカレー 酒井 順子

バスセンターのカレー 原田 マハ

カリーヴルストをベルリンで 平松 洋子

ちくわはシーフードに入りますか? 須賀 しのぶ

黄色くないカレーの謎 水野 仁輔

共栄堂・6時。 中島 京子

初めてのカツカレー 辻村 深月

私、カレー病です 村松 友視

百人のカレー食う音やカレー記念日 野崎 まど

華麗なるカレー 浅田 次郎

華麗なるカレー続報 浅田 次郎

カレーライス雑考 安西 水丸

「どっちかカレー」現象 穂村 弘

カレーパンの空洞 東海林 さだお

カツカレー嫌い 稲田 俊輔

カレーライスは偉大である-座談会- 中野 不二男/安西 水丸/泉 麻人

むかし、うちにはカレー専用の器があって、楕円形の両脇につまみのようなものがついていて、その器はカレーのときにしか使わなかった。気づいたときには実家からなくなってしまっていたけれど、なつかしくてあの器でまたカレーがたべたいなと思う。おかあさんにきいてみたけれど、そういえばあったねえ、どこの器やったかねえ、みたいな要領をえない返事で、思い入れがあるのはわたしだけだった。あの器でたべたら、ノスタルジーというスパイスで、自分のつくったカレーも懐かしい味がすると思う。

プラネタリウムのふたご

あったりなかったりを繰り返していた左足の付け根のこわばりが、あったりあったりあったりなかったりという感じで居座るようになってきたので、整形外科にいってきた。診察室のベッドに横になり、痛い側の付け根をグッと押されると、あいたたたたと思わず声が漏れてしまった。あ、ここ?とたしかめるように二度グッと押された。レントゲンでは、腰椎の一番下のところのすき間が狭いねといわれたけれど、腰痛ではなく、足の付け根に白くまるくうつるものがあり、石灰沈着性の股関節腱炎という診断がおりた。レントゲンの技師さんが、左だね?といったのでかなりわかりやすい感じだったのだと思う。できるだけの安静を言い渡され、ロキソニンと胃薬を出された。それでも続くようならステロイド注射を打つらしい。痛み止めを飲んでみたら久しぶりによく眠れたので、やっぱり痛かったのだなと気がつく。妊娠中からかれこれ16年のつき合いで、思いがけず長くつきあってしまった。こんな感じで結婚もだらだらと続いてしまっているのだけれど。

本棚から。

ふたごはプラネタリウムで生まれ、一人は手品師、一人は星の語り部となった。彼らが生まれながらに定められていた役割とは何か。

はじめて読んだのは学生のころで、文庫本は大学生協で買ったと思う。二度めに読んだのはおとうさんの具合がよくないころだった。闇の中で光にふれる物語。あれからずいぶん遠いところまできたようだけれど、この本はずっとそばにあったのだなと改めて思う。こんなふうに人生を伴走してくれるおはなしに出会えたことはかけがえのないことだな。

方舟

女が終いにむかっていて予測不能な周期で突然にやってくる。たまたま多い日に歯科の予約があり、こどもの矯正の説明で総額をきいて衝撃を受けて帰ってきたら会社のパソコンの液晶がバキバキに割れていて、人生初の始末書をしたためることになった。たまたまサラダ記念日だったので、これからはサラダ記念日がくるたびに始末書のことを思い出すことになると思う。同じ日に会社の椅子を血まみれにし、始末と血という単語の取り合わせはなかなか穏やかではない。思春期のただ中にいるこどもには理不尽にののしられ、とことん穏やかではない日だった。ままならない日々に、あさがおが咲いて、それはそれはうれしかった。

高校の友だちと読み友だちのふたりからおなじ時期にすすめられて読んだ。

地震によって山奥の地下建築に閉じ込められた柊一たち。水が流入しはじめ、地下建築の水没までおよそ1週間。地下建築から脱出するためには、9人のうち誰か1人を犠牲にしなければならない。そんななか、殺人事件が起こり…。

数学とか物理の試験も、こんなふうにミステリー仕立てにしたら気分がのるかも。

 

選んで、語って、読書会1

年に一度の出張で九年ぶりの大阪へ。ここ数年、夏の出張は南下が続き、暑さと夕暮れの長さが印象的だったけれど、今年は暑くない梅雨で過ごしやすかった。大阪だからということで、ホテルの朝食のビュッフェにたこ焼きが並んでいた。目の前でオムレツを焼いてくれるサービスがあり、プレーンオムレツを焼いてもらった。みじかい滞在だったけれど、懐かしい友人に会い、お酒を飲み、肉を食べ、涙がでるほど笑い、胃をやられ、たこ焼きをおみやげに帰ってきた。

卜。

当代きっての読書家である作家3人が、お互いの“とっておき”をひとつずつ見せあいながら編んだアンソロジー。

括弧の恋 井上 ひさし

秘嶺女人綺談-付・私的探偵小説感- 高村 信太郎

十二月の窓辺 津村 記久子

青塚氏の話 谷崎 潤一郎

さようなら、ハーマン ジョン・オハラ

梅の家の笑子姐さん 柳家 小三治

北条義時-はじめは駄馬のごとく- 永井 路子

閃くスパイク フランク・オルーク

同じ夜空を見上げて 三崎 亜記

選んで、語って、読書会1

十二月の窓辺を読みたくて検索にひっかかってきたアンソロジーを予約。そうだ、こんなしんどい話だった。すべての生きづらい人の中に自分を見いだしてしまう。