まみ めも

つむじまがりといわれます

終わりと始まり

木曜の朝におばちゃんの訃報。おとうさんと同じ病気でしばらく前から闘病していて、さいごは家に帰って家族と一緒に過ごしたらしい。家のそばでオレンジ色のコスモスが風に揺れていて、おばちゃんのことを思い出す。すらりと背が高くて、ジーンズがよく似合…

希望という名のアナログ日記

遊歩道のいちじくを、ハムとチーズとサンドイッチにしてお昼に食べる。花が内側に咲いているのを隠頭花序というらしい。内側の花のところをじっと眺めていると裏返しになってしまいそうな変な気分。裏返しになる前に食べてしまう。今年は春の梅がなり年だっ…

背高泡立草

ニューシャトルの沿線にある職業訓練校に通っているらしい男の人と朝の通勤で一緒になることがあって、乗り換えのコンコースでその人がうしろを歩いていると、ぼそぼそとしたひとり言が追いかけてくる。脈絡はわからないながらいつも無理だとつぶやいていて…

すき焼きを浅草で

週末になってもげんちゃんの熱がさがらず土曜の明け方に坐薬をいれ、朝を待って病院に連れていく。気管支炎になっているらしく、吸引と吸入をやり、水薬と抗生物質を追加で出してもらう。いやいやで押さえつけられて吸入をしながらおちゃあちゃん、おちゃあ…

兄の終い

夏の名残の暑さに辟易しながらべとべとになって会社について着替えをすませペットボトルの冷えた水をごくりと飲んだところでポケットのiPhoneがぶるぶるし、園からの電話でげんちゃんの熱のしらせだった。始業即呼出。あしたまでにすませたい仕事があったの…

リフォームの爆発

家の門を開けた先の遊歩道に実っているのがいちじくだと知ったのは一年前で、道理で花が咲かないから、なかなか実には気がつかなかった。今年は虎視眈々と熟れどきをみはからう。明るい黄緑の色にえんじが少しずつ混じってきて、そういう実をひねるとぽろっ…

長い終わりが始まる

お盆をすぎると気配に秋が漂いはじめる。鈴虫がふるふる鳴いている。遊歩道の無花果をひとつもぎって半分に切って食べる。中身をじっと見ているとなんだか変な気分になってくる。どうしてこうなった、という顔の中身だから。 日曜はいろいろの用事をすませ、…

ベランダ園芸で考えたこと

今年の夏休みは毎日ビールを飲んで、スーパーと図書館とバーガーキング以外はどこにも出かけず、雨と雷と暑さがすごかった。あしたから仕事という日曜は、餃子を包んで焼いた。 月曜は朝早く起きて、流水麺に甘く煮ておいた油揚げをのっけた弁当をふたつ冷蔵…

スイカの丸かじり

七月の中ごろに仕込んだしそのジュースを、炭酸や水で割って大切に飲んでいたら、そのうち自然発酵して微々発泡になった。コップに氷をいれて、しそジュースと安物の赤ワインを半々で注ぐ。鮮やかな赤と深い赤がきれい。混ぜないで味をグラデーションにして…

いつのまにやら本の虫

金曜の夜にルバーブが届いた。鎌倉の市場にあったら送ってくれるように頼んでおいたもの。「毎日、お疲れ様です!」と毛筆の広告が載った新聞紙に包まれて、GODIVAの赤いリボンで結えられている。土曜は仕事をしながらルバーブのことを考えてにやにやした。…

ブスの自信の持ち方

週末からずっといやな咳をしていたげんちゃんが、水曜の夜中にひどく咳き込んで、胃の中のものをあらかたシーツに戻してしまった。目を覚まして眠そうにキョトンとしていたけれど、シーツを全部はがして着替えさせて、つぎの朝、念のため病院に連れていく。…

キッチン

長梅雨と同時にコロナ禍で長引いていた育児休業が明けた。仕事がはじまる前にとこまごまと用事を済ませて、先週は忙しかった。休みの最終日は、せいちゃんとふくちゃん、お友だちを誘って回転ずしにいき、昼からビールを飲んでやった。わさびなすを頼んでお…

ここに消えない会話がある

育児休業という名の休まらない休みがついに終わる。これからは相対的にさらに休まらない日々がはじまるということ。慣らし保育も残りいく日でげんちゃんの慣らし保育がやっと午後までのびたので、ふみちゃんに一日のサービスデーをプレゼントすることにした…

十二月の十日

雨と体調不良で冴えない連休だった。梅雨は明けないし、オリンピックは開幕しないし、こどもたちは咳と鼻水が止まらないし、げんちゃんは保育園にならされないし、洗濯物は生乾き。まあでもいつだってこんなもんだった。週明けの朝、せいちゃんはだるくてご…

ウは宇宙船のウ

11月22日に父が亡くなり、6月12日に遺産が振り込まれた。遺産を受け取ることが億劫で、のらりくらりと振込先を知らせずにごまかしてきたけれどそういうわけにもいかないらしい。大事に使ってくださいといわれた。それで、ふと思い立って「あなたのた…

夜明けのおやすみ

仕事復帰まで二週間、梅雨空とあいまってなんとなく憂鬱な気持ちでモーニングを味わう日々。ロイヤルホストのモーニングはサラダモーニングのサラダをボイルエッグにしてもらうパターンに落ち着いてきた。ゆで卵がつるんと剥けるのが気持ちいい。ドリンクバ…

三の隣は五号室

土曜の朝、げんちゃんと一緒に窓の外を眺めていたせいちゃんが「ありえないことが起こった」と騒ぐので、のぞきにいくと、鴨の親子が紫陽花の植え込みを通って塀をくぐって家の前に抜けていくところだった。ちょこちょこと後ろに九羽の雛がついていく。むか…

電化製品列伝

七夕の翌朝に初蝉を聞く。週明けからげんちゃんの慣らし保育が始まった。ほとんど泣いて過ごしているらしく、お迎えにいくと頬に涙のあとがついていて、こちらの顔を見るとほっとするのかもう一度泣き出す。80分の間に、ロイヤルホストにいってモーニング…

雨が続く。梅雨どきは全身これデリケートゾーンとなり、夜中に目が覚めるとむずむずして寝つけない。うとうとしたところでげんちゃんが泣き出す。 紫陽花や枇杷に気をとられていたら、いつのまにか庭に百日紅の花が落ちている。百日紅、毎年咲くタイミングを…

バカ姉弟

一年のうちで一番遅い夕暮れが29日で、日の入り時刻は07:01:56だった。ここから秒刻みでじわじわと日の入りは遅くなる。たわわに実っていた枇杷の木に、オナガやむくどりが大挙してにぎわっているなと思ったら、あっという間に食べつくされていた。門の…

古くてあたらしい仕事

商店街を一本入ったところに、戦後の闇市のような風情を残したちょっといかがわしい雰囲気の八百屋がある。働いている人も少しだけはみ出た感じがして、お釣りをもらうときに手と手が触れるとなんだかどきっとする。その八百屋に、とんでもない値段の野菜が…

二度寝とは、遠くにありて思うもの

夏至を迎えると、暑さはこれからだというのになんだかさみしい気持ちになってしまう。枇杷はいまが食べごろらしく、遊歩道の枇杷の実にからすとむくどりとおながが集まって騒いでいる。遊歩道の枇杷は、二階のバルコニーから届く範囲の実を高枝切り鋏で切り…

今日は誰にも愛されたかった

筍に表の年(成り年)と裏の年(不作の年)があるということは聞いたことがあったけれど、どうやら今年は梅や枇杷が「表」であるらしく、いつもこんなに大きな実をつけるだろうかというぐらい、そこらの梅の木が青い実をつけて、枇杷もたわわに実っている。…

オッパイ入門

六月に入ると、日の出日の入りの時刻が秒までわかるサイトを何度もチェックしてしまう。今年一番早い朝はきのうと今日で、日の出は04:24:25AM。あしたには二秒朝が遅くなる。三日前から夜のおっぱいをやめようと思って、寝かしつけたあと、だいたい日付が変…

リボンの男

二交代の登校も二週目にはいり、今週は簡易給食として、パンあるいはおにぎりと牛乳一本が出るとのこと。お昼はおかずだけというわけにもいかず、昨日はやきそば、今日はカレー。こどもたちは頓着なく、パンやおにぎりが出るのもおかまいなしで普通に食べて…

地球のはぐれ方

今週から二交代の登校がはじまり、午前の部は帰り間際、午後の部は行ってすぐ、つめたい牛乳がでるらしい。こどもたちが飲む牛乳は「わたぼく」というご当地ブランド。わたぼくは、わたしとぼく、という意味だと、せいちゃんとふくちゃんが教えてくれた。牛…

深夜の告白

げんちゃんの誕生日は、黒鯛が一尾500円だったのを買ってあったので、鱗をとり、内臓をむしりとり、鰭で指に傷をつくりながら、なんとなく食べられる感じになったので、丸のままプチトマトとにんにくでオーブン焼きにした。本人はむしった身をすこしだけ食べ…

うさぎのミミリー

明日はげんちゃんの一歳のバースデー。今夜は、ひとりで起き出して冷蔵庫のトマトを丸かじりして白ワインを一杯飲み、お風呂に浸かって本を読んでいたら、 かなしみのフルコースです前菜はへその緒からのはるかな自由 木下龍也 という歌に出会った。かなしみ…

ぶらんこ乗り

油断していたら夏をすっ飛ばして冬がきたのかと思うくらい冷える。葉つきの玉ねぎをたくさんもらったので、午前中かけてじっくり炒めて、水を足して塩こしょう、チーズを沈めたお碗に注いで、オニオンスープにした。あつあつで甘くておいしい。けれども、本…

アメリカの友人

四月の半ばに、公園でおたまじゃくしを捕まえてきて、虫かごに板や木切れや貝殻をいれてめだかの餌をやって様子を見ていた。頭の形が細長いのやひらべったいのやそれぞれに違っていて、きっと種類の違う蛙なのだろうと思っていたけれども、じわじわと弱って…