まみ めも

つむじまがりといわれます

2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

苦役列車

友もなく、女もなく、一杯のコップ酒を心の慰めに、その日暮らしの港湾労働で生計を立てている十九歳の貫多。或る日彼の生活に変化が訪れたが……。こんな生活とも云えぬような生活は、一体いつまで続くのであろうか――。青春に渦巻く孤独と窮乏、労働と痛飲、…

民宿雪国

ある国民的画家の数奇な生涯を描いたエンターテインメント。期待した展開が何度も何度も裏切られ、物語のラストはとんでもないところに着地する。昭和史の裏面に挑む怒涛の長編書下ろし。 一週間の滞在予定に携行した本を読み終えてしまって、実家の本棚から…

奇想天外(新・ちくま文学の森)

ジャムブリたちの住むお国(リア)/ねずみと小鳥とソーセージ(グリム)/猫の事務所(宮沢賢治)/ソナタの形式による落語(竹内浩三)/水滴(ブッツァーティ)/父の気がかり(カフカ)/卵(夢野久作)/赤い繭(安部公房)/ココァ山の話(稲垣足穂)…

日本幻想小説傑作集(1)

佇むひと(筒井康隆)/山月記(中島敦)/白いワニの帝国、老車の墓場(五木寛之)/金の輪(小川未明)/押絵と旅する男(江戸川乱歩)/人魚伝(安部公房)/くだんのはは(小松左京)/春泥歌(赤江瀑)/ニノ橋 柳亭(神吉拓郎)/老人の予言(笹沢佐保…

こころ

3.11以来テレビをつけ放しにして、地震や津波、原発のニュースに途方に暮れる。だれかれの安否が気になるけれども、メールや電話をためらってしまうのは、わたしにはあらゆることを受け止める自信がないのだと思う。実際に家族や友人の消息が知れない人…

誰も知らない

母子家庭の4人の子供たち。それぞれ別々の父親を持つ子供たちは、学校に通ったこともなかったが、それなりに幸せな毎日を過ごしていた。しかしある朝、20万円の現金を残して、母が失踪する。この日から、誰にも知られることのない4人の子供たちの生活が始ま…

からだの発見 (新・ちくま文学の森)

?(堀辰雄)/牧神の春(中井英夫)/ある学会報告(カフカ)/ある海水浴客の冒険(カルヴィーノ)/女房を寝とられた二つの肉体(エーメ)/眼玉首と脚(柴田宵曲)/刺青の話(岡本綺堂)/パーカーの背中(オコナー)/欲望と黒人マッサージ師(ウィリ…

バスケットボール・ダイアリーズ

『バスケットボール・ダイアリーズ』(The Basketball Diaries)は1995年制作のアメリカ映画。原作はジム・キャロルが13歳から16歳までつけていた日記『マンハッタン少年日記』(河出書房新社)。 公開された当時は、麻薬依存や売春が描かれていたために物議…

もののけ姫

中世の枠組みが崩れ始めた室町時代の日本。いまだ人を寄せ付けぬ太古の深い森の中には、人語を解する巨大な山犬や猪などの神獣たちが潜み、聖域を侵す人間たちを襲って、荒ぶる神々として恐れられていた。エミシの末裔のアシタカは、人間への怒りと憎しみに…