まみ めも

つむじまがりといわれます

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

八ヶ岳キッチン

すこし早起きしてソファでぼんやりしていたフクちゃんが、出し抜けに「おかあちゃん、さっきからピンクのお花がふわふわういて見えるんだよ」なんて言いだすので、ラリってしまったのかと心配したけれど、窓の外で百日紅の花が、蜘蛛の糸にぶらさがって揺れ…

マスタードをお取りねがえますか。

どこにもいかなかった夏を惜しむように玄関先で花火をやったりしたけれど、窓を閉めて寝ていても肌寒くてついに綿の布団を出した。薄着で布団のふかふかにくるまることの多幸感。外では虫がるりるりビブラートを利かしている。 日曜に浦和に出た用事があった…

終わりと始まり

木曜の朝におばちゃんの訃報。おとうさんと同じ病気でしばらく前から闘病していて、さいごは家に帰って家族と一緒に過ごしたらしい。家のそばでオレンジ色のコスモスが風に揺れていて、おばちゃんのことを思い出す。すらりと背が高くて、ジーンズがよく似合…

希望という名のアナログ日記

遊歩道のいちじくを、ハムとチーズとサンドイッチにしてお昼に食べる。花が内側に咲いているのを隠頭花序というらしい。内側の花のところをじっと眺めていると裏返しになってしまいそうな変な気分。裏返しになる前に食べてしまう。今年は春の梅がなり年だっ…

背高泡立草

ニューシャトルの沿線にある職業訓練校に通っているらしい男の人と朝の通勤で一緒になることがあって、乗り換えのコンコースでその人がうしろを歩いていると、ぼそぼそとしたひとり言が追いかけてくる。脈絡はわからないながらいつも無理だとつぶやいていて…

すき焼きを浅草で

週末になってもげんちゃんの熱がさがらず土曜の明け方に坐薬をいれ、朝を待って病院に連れていく。気管支炎になっているらしく、吸引と吸入をやり、水薬と抗生物質を追加で出してもらう。いやいやで押さえつけられて吸入をしながらおちゃあちゃん、おちゃあ…

兄の終い

夏の名残の暑さに辟易しながらべとべとになって会社について着替えをすませペットボトルの冷えた水をごくりと飲んだところでポケットのiPhoneがぶるぶるし、園からの電話でげんちゃんの熱のしらせだった。始業即呼出。あしたまでにすませたい仕事があったの…