まみ めも

つむじまがりといわれます

2011-01-01から1年間の記事一覧

若きサムライのために

今年さいごの一冊は三島由紀夫で、若きサムライのためにというこれもやっぱりブックオフの¥105だった。今年もブックオフには多いに世話になった。一年で読んだ本を日記のタイトルをならべてみてみたが、タイトルをみてもどんな本だったかまるきり思い出…

世界は笑う

十二夜より(シェークスピア)/お笑い競キリン(秋田実)/対話(山本周五郎)/耳かき抄(木山捷平)/トワーヌ(モーパッサン)/成績簿なんてこわくない(ゴシニ)/親愛なるグレタ・ガルボ様(サローヤン)/血圧(ラニアン,デイモン)/妻喰い男(チ…

ぼくの副作用

いつだったかのブックオフにはウディ・アレンの単行本が三冊ならんでいた。ウディ・アレンの映画はひとたびビデオで見たことがあって、スコルピオンの恋まじないというやつだった。いがみあう男女が催眠術にかけられて、コンスタンティノープル、マダガスカ…

泣かない女はいない

わたしがシャトルで通勤することを知る友人の家にあそびにでかけたら、壁一面の書棚のなかからこの本を貸してくれた。シャトルのことが書かれてあるという。書棚には漂流教室や鬼太郎のフィギュアが配してあり、息子はそれらの頸をはずしたりして遊んでいた…

ニッポン清貧旅行

朝は六時に起きる。このごろは空気がひしひしと冷たい。寝るまえに蒲団の上に脱ぎ散らかしたフリースとウールの靴下を、アイフォーンの液晶で照らしながら見つけ出し身につけて階下におりる。炒め物やサラダをタッパーウエアに詰め、おにぎりをふたつ握って…

ディーバ

[DVD]" title="ディーバ [DVD]" class="asin"> 先週は持病の通院があったので会社を休んだ。病院の予約は午後三時、朝はドーナッツショップで本を読み耽りレモンティを飲んでしてから電車に乗りこんで映画館にいく。二駅先のシネコンでは午前10時の映画祭と…

月は沈みぬ

日曜日は筈氏の誕生日だった。誕生日プレゼントはマフラーと手袋で、もう十日も前に渡してしまった。マフラーはいろんな柄がいっしょくたになったピンクめいたもの。わたしはピンクを着るような一見ナイーヴそうな男が好きだが、かといって実際にナイーヴな…

問題があります

一歳になるまではいはいもしなかった息子であるが、ようやく歩き始めたので靴を買った。ちかくのイオンにいって480円の靴をふたつみっつ、ならべて、どれにするか訊くと、ベロの部分にくまの顔が縫いとられているのを指さした。試着したのがよほどうれしかっ…

土曜日は息子をおいて一日でかけるので朝からとり肉を大蒜しょうゆハーブでじゅうじゅう炒めたところへりんご玉ねぎセロリーをミキサーでがーっとまわしたのを流し込み、じゃがいも人参を刻み、くつくつやってカレーを鍋いっぱいにした。わたしのカレーは行…

犯罪エリート集団

このところアレルギーめいた症状が続く。目もとは相も変わらずかさかさと痒く、やたらにくしゃみと鼻水を量産している。わたしのくしゃみというのが多少独特であるらしく、筈氏が、ホッチホッチ、と真似をやる。本人は世の常にならってヘクショイとやってい…

溺れゆく者たち

こないだ一日ふらふらと出歩いたあとでむらさきがないことに気が付いた。むらさきというのは、もう十年ちかく前になるかしれないが、どこぞのユザワヤにいったときにフリースのもけもけした生地を1mばかり裁ってもらった紫色の布地で、冬になるとマフラー替…

金曜日にふと会社が休みだったものだから、その日はなにをしようかとあれこれ巡らしておったのを、三日前に息子が手足口病になったので半ばあきらめていたが、当日の朝になって平熱に復したので保育園にあずけてでかけることにした。駅前のドーナツショップ…

夜は短し歩けよ乙女

隣の庭先で黄色い花がやたらに咲いていると思っていたら、庭先に出ていたおじいさんが、食用の菊だから食べてみるかという。鋏でちょんちょんと切ってひと抱えほど束にしてくれたのを、新聞紙のうえにひろげて、息子を膝にかかえて花びらを毟っていたら、息…

カフカ短編集

それにしても日が短くなった。息子を迎えにいった帰り道の遊歩道では、空の下側でほんのり光っている橙色が歩いているうちに地平に吸われて空がキーンと冴えかえり、胸がきゅーんとなる。きゅーんとなると、なんだかわからないがチョコレートを食べたくなっ…

日はまた昇る

三連休は毎日友人に会う予定がありふらふらとあちこち出かけた。たのしいにはたのしいが、元来が根暗で内向的、哀しいかな人間が社交的にできていないものだからなんだか草臥れちゃった。先の週末は雨が降ったのもあり土曜日は家から一歩も出ずにスコーンを…

白い人・黄色い人

急に秋めいて、うろこ雲をみつける日が増えた。あったかいココアを牛乳で作って飲むのがうれしい。今秋はじめてウールに袖を通すときのほっこりした気持ち。でかけるときは二階の窓をうっすらすいて空気をこもらないようにするが、帰宅して二階にあがると金…

劇画ヒットラー

息子が入院し、筈氏も釣りにでかけてひとりぼっちの夜に風呂で湯に浸かりながら読んだが、やたらと静かであるし、水木しげる先生のトボけた世界観にのっかって、歴史がありえないほうへずんずん進んでいくので妙ちくりんな気分がした。外側からみるといかに…

マイ国家

連休はムーミン谷にハイキングにいこうかなどとも考えておったが、息子が入院して病み上がりなので断念した。乳離れをやるので、夜は何度か起きてあやさねばならず、眠りが浅いせいか息子と一緒に寝てばかりいる。外が暑いので洗濯は捗るがあんまり出かける…

高校生心理学〜悩み多き若者に与う〜

もう悩み多き若者でもなんでもない中年なので、悩みがあるかと問われるとたいしたものは思いつかないで、どちらかといえば悩むひまなく日々の生活で精一杯。でも、まあ、こういう精一杯の生活も悪くないもんだなあとおもう。この、高校生心理学というのは、…

そこに僕はいた

わたしの辻仁成に対するイメージは、ぶっちゃけ、きもい、のひと言に尽きるので、なぜなら此奴、初対面のミポリンに放った第一声が「やっと会えたね」で、わたしはそのエピソードを聞いたとき全身がおぞおぞして止まなかった。とはいえそれで結婚してしまう…

口笛ふいて殺人を

おーい でてこーい/星新一 虚空の男/半村良 探偵小説/横溝正史 ハムレット/久生十蘭 杢平虹/邦光史郎 青い群/河野典生 ある脅迫/多岐川恭 肌の告白/土屋隆夫 妻を深く眠らせる法/藤村正太 万葉翡翠/松本清張 推理ノート 夢の世界から日常的現実へ…

異邦人

きょう、ママンが死んだ。という一文は、かなり有名な出だしだと思うのだけれど、この一文を有名ならしめたのは、やっぱりママンというすこし耳慣れない単語のなすところが大きいだろうな。ちいさいころ、うちの隣の子が、父母をママパパ呼ばわりしていたの…

アブサン物語

夏季休暇は、ふつかめより息子がみるみる発熱し、茶も牛乳も受け付けなくなり、途方に暮れるうちに全身に発疹があらわれ、クリニックにいったところ手足口病との診断であった。いまは平熱に復し落屑を待つばかりなのだが、いかにも掻痒感をともなうらしく夜…

老人と海

食卓の傍の本棚は、五段になっていて、一番上は筈氏の所有の写真集やら重ねて、そのしたはやっぱり筈氏のものであるところの文庫が並んでいる。統一感のない本棚で、カフカもあるし星新一もあるし大江健三郎も水木しげるもある。なかには懐かしい日本語みた…

テーブルはテーブル

ブックオフで105円。目次をひらくと、地球はまるい、テーブルはテーブル、アメリカは存在しない、発明家、記憶マニアの男、ヨードクからよろしく、もう何も知りたくなかった男、というふうに短編の題がならんでいて、なんだかおもしろそうだと思って買っ…

ヨーロッパぶらりぶらり

軽井沢にいったときに、ジョンレノンが泊まったというホテルの喫茶室でココアを飲み、あいている部屋をあけてもらって息子に乳を飲まして、もどったら、これからどこに行くか、選択肢から選べという。いくつかのプランのうちに古本屋に寄るのがあったので、…

日本探偵小説全集8 久生十蘭集

友達が家の表札をつくってくれた。字も歌もうまく、運動もでき、なにをやってもすらすらと人並み以上にやってのける彼女を、取り柄のないわたしはずっと凄いなあとおもっていたけれど、そんな彼女が、書道は本気でがんばりたいといっていた。まじめな彼女な…

せつない話 第二集

雨雨雨。今朝の雨はすごかった。通勤の途上、かばんもズボンもぐしょ濡れでワントーン暗くなる。でも、ここまで土砂降りになればなんだか祭りめいてくるというもので、不思議と気分はワントーン明るくなる。川のように雨水がどうどう流れるアスファルトに威…

町でいちばんの美女

ブコウスキーの名前をどこで知ったかしらないが、なんだか頭にのこっていて、ブックオフで背表紙をみて手にとった。町でいちばんの美女というタイトルに女の写真をあえて使っているのが挑戦的。それもボンレスハムみたいな中年女というのがいい。 酔っぱらう…

権現の踊り子

いっときブックオフにやたら町田康がならんでいて、こないだ読んだのがおもしろかったから買ったけれども、読んでみたら、これ、読んだことあった。どこ文庫か忘れたけど、オレンジ色の背に権現の踊り子の文字列の記憶あり。「工夫の減さん」のタイトルだけ…