まみ めも

つむじまがりといわれます

2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

久生十蘭ジュラネスク

ちくま文学の森で読んだ久生十蘭の二編にいちいちハートをぶち抜かれたもので、短編集を買った。「小説というものが、無から有を生ぜしめる一種の手品だとすれば、まさに久生十蘭の短篇こそ、それだという気がする」というのは澁澤龍彦のことばだそうだけれ…

贋作吾輩は猫である

内田百間。 八月の終わりに鎌倉から浦和に帰る。鎌倉での生活は、なんというのか、気の利かないわたしがなんとか気を利かそうとするものだから、無理があったといわざるを得ない。ないものをあるように振る舞う、太宰治の女生徒ではロココ式といったような気…