まみ めも

つむじまがりといわれます

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

パチンコ

帰省から戻ってきた休み明け、せいちゃんとふくちゃんは家の鍵をランドセルに付け替え忘れ、荷物を玄関先に放り出してお友だちの家にお世話になっていた。ランドセルと手提げが門の内側に散らばっている。思わず写真を撮っておかあさんに送ってみたら、なん…

辺境・近境

三回忌で実家に帰った。親戚がわやわや集まり賑やかに過ごす。とんぼが人懐こくまわりを飛び、月蝕があり、そういえばおとうさんが死にそうになりげんちゃんをだっこして新幹線に飛び乗ったときにも丸い月をみたのだったなと思い出した。あのときのおとうさ…

ラモーナ、八歳になる

日曜にみんなではま寿司に行き、ファンタやカルピスやりんごジュースやビールで乾杯をした。お父さんのわさびなすをひと皿。その夜ふーたんが体調を崩して週明けはお休みをし、ひと騒ぎののち浣腸をし、やわらかく煮たうどんとプッチンプリン。安房直子のお…

熱風大陸

「あなたのための短歌集」が父の三回忌がもうすぐという頃に届いた。「メダカを両手で掬い上げるようにして」作られた短歌たち。わが家のめだかたちを掬い上げるときの切実な気持ちを思う。透明だった二匹のしっぽちゃんは少しずつ少しずつ実体を濃くしなが…

風はいずこより

朝、最寄りの駅のホームに降りていくと、上がりの電車のホームドアのわきに立って、イヤフォンで音楽を聴きながら、手を叩き、ときに振り上げ、はげしくのっている女の人がいる。つい目を奪われてしまう。電車がきて、周りの人が乗り込んでも、やり過ごす。…

黒百合

朝、遊歩道を通らずに公園を抜ける道をいくと、噴水のわきで歌をうたっている人たちがいる。ギターを鳴らす人と、車椅子の人と、お年を召したかたたちが六、七人で集い、ちょっと離れた手すりのところに犬が一頭つながれている。このあいだは、真赤な秋、そ…

ももこの21世紀日記

鳩は巣立ったのかいなくなってしまった。サッカーの練習試合があり、久しぶりにのぞきにいく。げんちゃんはグラウンドにできたスニーカーの足跡を、まーまー、ここはふまないでね、と大事にしている。黙って応援するというルールがすっぽ抜けてしまい、ふく…