まみ めも

つむじまがりといわれます

銀河鉄道の父

朝、家を出るころに遊歩道を通ると、ちょうど植え込みに朝日がさしはじめる時刻で、マーガレットが少しだけ黄色をのぞかせている。帰りは夕暮れがのびてまだ明るいので、はなびらをひらいている。そういう草花のいじらしさになぐさめられながら、どうにかやっている。それにしても春のいきおいはものすごく、桜がおわったと思ったらハナミズキ、ふと気づくと芝桜、ハナニラ、ひなげし、モッコウバラにチューリップと目にいろんな色が次々と飛び込んでくる。そのたびに、芝桜が好きという人や、チューリップが好きという人を思い浮かべて、みんなおだやかにいてくれるとよいなと思う。それが実は友達でもなんでもない人だったりするので我ながらおかしい。

銀河鉄道の父 第158回直木賞受賞

銀河鉄道の父 第158回直木賞受賞

義父本。

岩手県をイーハトヴにし、銀河に鉄道を走らせた宮沢賢治。生涯夢を追い続けた賢治と、父でありすぎた父・政次郎との対立と慈愛の月日を、父の視点から描く。『小説現代』連載に、加筆、修正し単行本化。

芥川賞直木賞はいつも義父から借りて読むことになっている。宮沢賢治のだめっぷり、それでもなにかを見つけたひとなのだと思う、宮沢賢治は読んでいると胸の中に氷がささるような痛苦しさがあるけれど久しぶりに読みたくなった。