まみ めも

つむじまがりといわれます

スティル・ライフ

お弁当春の陣がおわった。有終の美を飾ろうと、好物をこれでもかと詰め込んだ。牛丼、キドニービーンズ の甘煮、卵焼き、切り昆布とあぶらげの煮物。昼になって電話があり、弁当がないという。家に忘れてったらしい。コンビニで海苔弁を買って食べた由。帰宅すると台所にそのままの弁当が残っていた。どんまい。春の陣ではいくつか収穫があった。鶏肉のからあげを揚げずにオーブンでつくる方法を何回かためした。下味をつけた鶏肉に卵をつかわずにマヨネーズをつなぎにし、片栗粉をまぶし、油を大目にいれてもみこんで200度で20分ほど。なかなかどうして、それなりのものができる。あとはキドニービーンズ の甘煮は、水煮の缶詰の豆に砂糖とちょっとの塩をかけてまぜ、レンジでチンしてつくる。冷凍しておけるので、夏の陣では保冷剤がわりにしたい。たまごやきは、毎度ながらうまく焼けるようになったころに弁当がおわる。巻き簀でぎゅっとして冷ますとなんとなくさまになることはわかったので、たまごやきを上手につくるモチベーションは低い。どんどんはしょられていく弁当、でもそれでよいと思っている。

スティル・ライフ (中公文庫)

スティル・ライフ (中公文庫)

ト。中央公論ハードカバー。

ある日ぼくの前に佐々井が現われ、ぼくの世界を見る視線は変った。しなやかな感性と端正な成熟が生みだす青春小説。芥川賞受賞作。
スティル・ライフ
ヤー・チャイカ 

はじめての池澤夏樹の小説。そういえば福永武彦の息子なのだったな。池澤夏樹の小説は、雪の描写のところだけを何かで読んだことがあったのは、まさしくスティル・ライフの中の一節だった。
「雪が降るのではない。雪片に満たされた宇宙を、僕を乗せたこの宇宙の方が上へ上へと昇っているのだ。静かに、滑らかに、着実に、世界は上昇を続けていた。」
こんなふうになにかをじっと見つめて世界に吸いこまれ一体化していく身体感覚をしばらく味わっていない。