まみ めも

つむじまがりといわれます

ブスの自信の持ち方

週末からずっといやな咳をしていたげんちゃんが、水曜の夜中にひどく咳き込んで、胃の中のものをあらかたシーツに戻してしまった。目を覚まして眠そうにキョトンとしていたけれど、シーツを全部はがして着替えさせて、つぎの朝、念のため病院に連れていく。そのまま会社は休み。風邪だろうとのこと。夏休みのせいちゃんとふくちゃんは用意してあった海苔弁、こちらは白うりのサンドイッチでお昼にする。白うりは塩を振ってとことん水気をしぼったのにぽりぽりしていて侮れない。そのまま熱も出ないので次の日は会社に出て、今週は土曜も仕事。とけかけのバニラアイスみたいにへばった犬みたいになっている。

とけかけのバニラアイスと思ったら夢中でへばっている犬だった/岡野大嗣

二か月ほど前、遊歩道の枇杷の木から実をもいで食べたあとに残った種を、バジルの苗を植えた琺瑯の容器になんとなく埋めてみたら、忘れかけた今になって芽が出た。ぽやぽやとうぶ毛のある芽が立ち上がっている。種から育てた木にいつか果実が実るかもと想像するだけで胸がときめく。

ブスの自信の持ち方

ブスの自信の持ち方

 

ト。

容姿によって生きづらさが生じるのは、本人の問題ではなく、社会の問題だ。「ブス」をきっかけに、差別とは、性別とは、理想の社会とは、を考える。『よみもの.com』連載に加筆修正して書籍化。

自分の顔を好きでも嫌いでもなく、とにかく興味がもてなくて、いまだに写真にうつる顔をみるとこれが自分なのかと戸惑ってしまう。人の顔をなかなか覚えられないので、世の中の顔全体にひとしく興味をもてないのだと思う。顔とか性別とか、いろんなものが自分が思うより自分についてまわり、鬱陶しいけれど、それが世界なので、やっていくしかない。