まみ めも

つむじまがりといわれます

名前をつけてやる

はじめて出会う育児の百科 0~6歳
猫は、なんだか不思議ないきもので、三日の早朝に、三毛猫のみーちゃんがいきなり蒲団にもぐりこんできた。ふだんは蒲団の上でまるまって眠るだけで、中に入ってくることはない。トイレにいったら、おしるしがあって、病院にいって、入院して、その夕方にわたしはおかあさんになった。みーちゃんは、わたしがおかあさんになるのが分かったのかなとおもう。分娩は、やっぱりたいへんだったけれど、あかちゃんがうまれてきたときの感情のカタルシスはものすごくて、思い出しただけでなみだが出てしまう。なまえ、はじめて人になまえをつけるので、わたしも筈氏もおおいになやんでしまう。けれども、わたしがもともといちばん気に入っていたなまえに決めた。健診で、おなかの中の子が男の子だとわかったときに、帰り道は、関東の冬らしくすっきりと晴れていて、わたしはこっそりその名前でおなかの中を呼んでみたんだった。おりしも、二十数年ぶりに晴れの日が続いたゴールデンウイークのさなかに生まれてきたのもあって、筈氏の名前から一字とって、晴三となまえをつけた。晴ちゃん。晴三くん。呼びかけると、ちょっと照れくさく、でも、とっても誇らしいきもち。よろしくね、わたしのあかちゃん。
母親からは、産後はほんとうに大事にしなくてはならない、文字を読むのもだめ、と、言いつけられたけれども、一冊、育児の本だけ、こっそり読む。妊娠がわかってすぐに、買った、妊娠中からこどもが六歳を迎えるまでの育児についての一冊。生まれてから一ヶ月を迎えるまでのところを、読み終えたのだけれども、一貫してやさしい視線で育児について書かれていて、それは、あかちゃんを見つめる視線だけがやさしいのではなくて、おかあさんを見つめる視線もまたやさしく、あかちゃんとおかあさん、育児にかかわる人のすべてを受け止めて、背中を押してくれるような内容なので、われながらよい本を手にしたと思う。とくに、「ぼくは、赤ちゃん。」ではじまる、おなかの中から出てきたばかりの赤ちゃんの気持ちを代弁した一節が、ほんとうにかわいらしい。世のおかあさんみんなにおすすめしたい一冊。