まみ めも

つむじまがりといわれます

アンヴィル!夢を諦めきれない男たち

アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~ [DVD]
カナダのメタルバンドアンヴィルのドキュメンタリー。

カナダのトロントで結成され、1982年にアルバム『メタル・オン・メタル』をリリース、メタリカ、スレイヤー、アンスラックスといった現在活躍する人気バンドに大きな影響を与えたバンド、アンヴィル。しかし、当の彼らだけはスターダムにのし上がることなく、その存在を忘れられていたが・・・。地元でしがない仕事をしながらバンドを続け、いまだ名声と富を獲得する夢をやめないリップスとロブのうだつの上がらない生活、しかし、どんな苦境に立たされても楽観的に現実を乗り越えようとするバンドの姿と、少年の頃より育んできた友情と絆、そして半ば愛想を尽かしながらも長年彼らを見守りサポートしてきた家族やファンたちの姿・・・。
スティーヴン・スピルバーグの『ターミナル』の脚本を手がけた、サーシャ・ガバシ監督による、ユーモアと暖かいまなざしに満ちたドキュメンタリー!!
夢を諦めきれないすべての人に捧げます!!

冒頭、ヴァイブレータでギターをかきならすシーンに始まり、インタヴューにおいてはあらゆる文脈でFUCKという単語が用いられるという、デトロイトメタルシティを地でいくようなバンドなのだけれども、その芯にある、透徹したピュアさというのか、実際こどものように瞳をきらきらさせて、愚かしいまでの空回りをやってのけ、どうにもこうにも痛々しい。その痛々しさがこの映画のいちばんの魅力。彼らの家族というのがまた、上品でうつくしく、これまた真摯にひとすじに彼らを応援していて、このうつくしい人たちが応援している夢、ヴォーカルのリップスのことばを借りればファッキンドリーム、それって、ヴァイブレータのギタープレイとか、そういうものなんだよなあと、その滑稽さが胸をうつ。なぜだか最後にはメタルオンメタルという彼らのナンバーが頭から離れなくなっちゃった。こんなにピュアになにかをやりたいと思えるなんて、そのためにとことん情けなくなってやり続けられるなんて、本当にうらやましい。本当に、うらやましいけれど、わたしは勘弁こうむる。