まみ めも

つむじまがりといわれます

北の国から

北の国から Vol.1 [DVD]
アンヴィル!と同時に蔦やで借り出してきたのは、北の国からのテレビドラマシリーズだったわけで、わたしはまともにこのドラマを見たことがなかったのだけれども、登場人物がおよそリアルに愚かで脆く不器用であり、ときにしんから苛々しながら全二十四話を見届けた。わたしったら1Q84でも苛々していたし、苛々しっぱなしのようであるが、北の国からの苛々はちょっと毛色が異なり、みんなの不器用な思いを丸く循環させてあげたいというような老婆心で苛々するので、悪くないというか、完全にはまっちゃった。ストーリーに関係ないようなちょっとしたエピソードであったり、せりふだって、気持ちをストレートにあらわさずに醸す具合で、醸された気持ちを酌量しているうちにすっかり感情移入してしまう。おかあさんが死んだときなんて、純も蛍もめったに泣かないなあなんて思って見ていたら、葬式もぜんぶ終わって、古くなって捨てられちゃった靴をゴミ捨て場で探す段になって泣く、それも警官のおじさんがやさしくって、こみあげて泣いちゃうっていう、そういうエピソードなんて、なぜだかよくわかんないけどすごくわかるというか、胸に迫る。また、今もご活躍の俳優さんたちが若くみずみずしく、なかには亡くなったかたもあり、彼らとともに時代を振り返るよろこびと通り過ぎてしまった時代へのせつなさみたいなものもあわさって、本当におもしろいんだった。名作。拝啓恵子ちゃん、これは、名作です。
わたしはというと、結婚式から昨日で一年だった。一年が過ぎた今、筈氏への弁当に魚肉ソーセージでメッセージを入れるのがひそやかにブームになっており、輪切りにしたギョニソをぺティナイフで細工し、結婚記念日の昨日はLOVE FOREVERと白飯の上に載せてやった。果たしてギョニソで食べる白飯がおいしいのだか、どうだか、知らないが、筈氏は弁当をひらいてメッセージがあった場合には背後の視線を用心し猛スピードで掻きこむのだそうだ。だけれども特に文句もいわれないもので、懲りずに前日の夕暮れ時に淡々と仕込む。切り取った屑の部分はわたしのおやつになる。なかば洒落ではあるものの、残りのなかばが本気だったりするので、われながらおそろしい。ややや、鳥肌。人間、時間があるとろくなことをやらない。