まみ めも

つむじまがりといわれます

最高の贈り物

最高の贈り物―’98年版ベスト・エッセイ集 (文春文庫)
こないだ通院のときに午後半休してひさしぶりでブックオフをのぞいたら単行本¥105コーナーに98年のベストエッセイ集が三冊もでていたのでひとつ購う。会社のひきだしにしまって昼休みに読んだ。どこぞの砂漠に旅したら、駅のホームで土地のこども大人にめずらしがられ、小水したくてあるきだしたらみんなおもしろがってついてきて、砂漠のまんなかだし、途方のはてに行列のさいごを追いかけて輪になったところでえいやとジッパーおろしてみたらこどもも大人もみんな真似して輪になって放尿したという話がいちばん気に入った。
胃の調子をおかしくしてから、しばらくのあいだ、ふわふわとあかるい黄色いものが便とはべつにでていた。においもない。腸の粘膜でもはがれたんだろうとおもう。腸のピーリング。いま、わたしの腸はぴちぴちにちがいない。息子は先月末にひきはじめた風邪が治らず、一度レントゲンもとったが経過をみることになっていたのが、こないだから熱がさがらなくなり、ふたたび病院送りとなり、いよいよ左肺の下部炎症像もつよいので、おとといから入院している。つきそいのできない病院なので、夜九時の面会時間ぎりぎりまでつきあって、しごとがひけてからバスに乗って会いにいく。夜に離れたのははじめてだったので、一夜あけた翌日はよほど気持ちが張りつめていたのだろう、ベッドでおとなしく放心したようになっていたが、わたしを見てワーと泣き出した。きのうは夜通し泣いたのか、声も枯れてしまっている。だきあげても泣き止まずにいじいじと体をいやいやねじるので抱いておられず、おっぱいを吸ったらやっとおとなしくなったが、すこしでもベッドを離れると不安でたまらない様子で泣き出すので、わたしも泣きたくなってしまった。きのうはおっぱいを延々吸って寝入ったので、おかあちゃんあしたまたくるからねと話しかけて出てきた。夜はひとりでベッドで寝たら、さみしくて、息子のにおいをさがしてみたが、熱さましにつかったアイスノンから冷凍庫のにおいがまくらにしみついて、息子のにおいがわからなかった。朝はひとりで目覚めてさみしかった。