まみ めも

つむじまがりといわれます

口笛ふいて殺人を

口笛ふいて殺人を―日本代表ミステリー選集〈1〉 (角川文庫)
おーい でてこーい/星新一
虚空の男/半村良
探偵小説/横溝正史
ハムレット久生十蘭
杢平虹/邦光史郎
青い群/河野典生
ある脅迫/多岐川恭
肌の告白/土屋隆夫
妻を深く眠らせる法/藤村正太
万葉翡翠松本清張
推理ノート 夢の世界から日常的現実へ/権田萬治
ブックオフの¥105コーナーでタイトルに惹かれてめくってみたら、久生十蘭があったので即購入。なかに挟まっていた栞は一世風靡セピアの本の広告らしく、時代を伺わせる。ミステリー選集ということなのだが、星新一はやっぱりファンタジックだし、虚空の男というのもさいごまでよくわからない謎が残る話で、十蘭は言うに及ばず、たんなる謎解きではない話が多いのがよかった。なかでもやっぱり十蘭は群を抜いておもしろい。ハードカバーの全集があるらしい、一冊約一万円であるから、ボーナスで一冊ずつ買ってみようかという気になってしまう。読みたい本があるというのは、すごくうれしいもので、十蘭の全集は十冊ぐらいあるのだから、ずいぶんなたのしみがこの先あるもんだなあ。まだまだ死ねない。
先週の水曜日から発熱した息子は、ついにゴホゴホと咳をはじめたので、きょうは市立病院まで赴き検査を受けた。採血にレントゲンをやり、お医者は、ウイルス性の肺炎になりかけであるが自宅療養でおさまるだろうというのでホッとした。先の入院以来ずっと三種類もの服薬を続けているのが、ちいさい身体にすこし心配である。わたしが仕事を休めないものだから、あすは義母にきてもらうことになった。こないだの金曜日にも義母にきてもらい仕事にでたが、その日ははじめてやる試験がなんだかうまくいったので、金曜日というムードも手伝ってパアッとした気持ちで帰宅路についた。ひさしぶりでひとりで歩いて帰るので、なんとなく身軽であり、帰り道のファミリーマートで、ベンチに腰掛けてガリガリ君チョコバリでも齧ってやろうか、と思っていたら、ファミリーマートの前で俄かに雨が降り出したのでやめにした。いそいそと家路、門をがらがら開けたら、すぐ玄関わきの窓のところで義母が息子を抱いてこっちを眺めており、わたしを発見した息子は、刹那、うれしそうに両手をあげて笑ったので、ファミリーマートでアイスを齧れなかったのは残念には残念だったが、それはそれでよかったという気持ちになった。