まみ めも

つむじまがりといわれます

犯罪エリート集団

犯罪エリート集団 2―日本代表ミステリー選集 (角川文庫 緑 410-2 日本代表ミステリー選集 2)
このところアレルギーめいた症状が続く。目もとは相も変わらずかさかさと痒く、やたらにくしゃみと鼻水を量産している。わたしのくしゃみというのが多少独特であるらしく、筈氏が、ホッチホッチ、と真似をやる。本人は世の常にならってヘクショイとやっているつもりであるに関わらず、どこぞの部分を欠いているようでどうもきいているほうですっきりしないくしゃみであるらしい。こないだ風呂上りにくしゃんくしゃんやっていたら、風呂の中からホッチホッチと真似をしやがり、いっしょに湯舟にいた息子がきゃあきゃあ笑っているので外から一喝したが効果はなかった。息子はすこしずつことばをやり出したが、ことばになる前の音の羅列というのか、独自の音をならべてなにやら意味ありげにきこえるのがおもしろい。感情をそのまま音にするとこうなるのだなと感心する。わたしなんて乏しいボキャブラリを駆使して表現するけれども追いつかない。ことばはあればあるほどがんじがらめになるような気がして、かといって黙っておれんのでこうやって駄文をアイフォーンですいすいやる。アイフォーンも悪くないが、携帯電話のボタンをむにむに押していた感触が懐かしい。
まえに読んだ、口笛吹いて殺人を、という短編集、ブックオフの文庫コーナーで¥105だったのに久生十蘭ハムレットがはいっていたのがよかったので、シリーズものをアマゾンで買った。口笛吹いてとタイトルにあっても口笛を吹きながら人を殺すような話はひとつたりともなく、肩透かしを食らったが、こちらもエリートの殺人はなく拙い殺人すらちらほらあった。読んだあとでわたしは謎解きや事件には興味がないのだとわかった。遺産がどうの恐喝がどうの浮気でどうの、という陳腐で凡庸なものは巷に溢れているので、もっともっとミステリをはみ出た奇特な物語でトリップしたい。