まみ めも

つむじまがりといわれます

タクシードライバー

タクシードライバー [DVD]
月曜日、朝はひんやりと空気が冴えていたが、表にでると随分あたたかい。昼のニュースでちかくに熊が出没しているといっていた。夕方、保育園あがりの息子氏をのせてさくらを見に出かける。通っていた高校のそばを通ると、川の護岸工事で風景がさま変わり、高校も校舎が新築され、パラレルワールドしてしまったような違和感がある。高校のむかいにある公園は、おそらく変わっていないのだろうが、高校生のころにあんまり寄りつかなかったのと、満開の花のしたに焼肉のにおいや若者のコントが充満してすっかり浮かれておりいまいちぴんと来ない。懐かしさを胸いっぱい呼吸することもならず、中途半端なセンチメンタルを感じながらのお花見。

タクシー運転手のトラビスは、大統領候補の選挙運動員ベッツィに心を惹かれる。だが、デートは失敗。そんな折、トラビスは13歳の売春婦、アイリスと出会い、足を洗うよう説得する。トラビスは使命を感じ、アイリスのいる売春宿に向かったのだが…。

だれからも理解されない、どこまでも世界から省かれた男の物語。さいごはぶっ放しまくってジ・エンドかと思いきや、続きがあり、乱射事件がヒーロー視されてしまったり、一度は愛想をつかしたベッツィがあとからアピールしてきたり、トラビス自身にとっては居心地よい世界がお膳立てされてしまうのだが、それはとことんトラビスが世界から切り取られて彼の狂気すら無視されてしまったことを描いていて、それはそれはやばい。トラビスの狂気は滑稽とすれすれで、たとえばモヒカンになっちゃうシーンなんかは思わず吹き出してしまう、でも、わらったところを見つかったら銃で頭をぶち抜かれてしまいそう。