連休のミッションは庭にのさばるバジルをなんとかすることだった。コンビニのレジ袋をぶらさげて庭先にでて、ぷちぷちと葉を摘んでいく。袋にいっぱいにしたそれを水道水で一枚ずつ洗い、キッチンタオルに広げて一昼夜乾かし、翌朝、オリーブオイルににんにく、くるみを足してミキサーでがーっとやってバジルのペーストにした。宿六が、八枚切りの食パンをトースターで焼き、バジルペースト、レタスにトマト、生ハム、マスカルポーネをはさんだサンドイッチを作ってくれたのをお昼にぱくつく。おやつには、セイちゃんと一緒に泡立て器を握って混ぜたプリン液をマグカップに流し込んで蒸した。それにしてもバジルはまだまだはえているばかりか、どうやら土に種をおとしてそこから新しい芽がたくさん萌えてきているので、この調子ではこのミッションはインポッシブルというか、いつまでも終わらない予感がする。ちなみに、このブログはミッションを伝えたあと自動的に消滅しない。と思う。
- 作者: 日本ペンクラブ,川上弘美
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/01/12
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感じて。息づかいを。なんて、とても店頭では(無用な自意識が邪魔をするので)レジに持ってけなそうなタイトルだが、ネットならばなんのてらいもなくクリックできてしまう。川上弘美による恋愛小説アンソロジー。ハーラン・エリスンが映画を読んでいるみたいで、すごーくよかった。選者の川上弘美自身の可哀相、というの、恋愛感情を可哀相のひとことに落とし込むところがいかにも川上弘美っぽい。たしか、村松友視の鎌倉のおばさんにも、梢風の妾のおばさんが、梢風に対する気持ちを問われて、気の毒だから、と応える場面があったとおもうが、気の毒、可哀相というのは、たしかに恋愛を鍋でぐつぐつやってどろどろになって、自分も相手も渾然一体みたいなそういう感情としてぴったりするかもしれない。焦げてこびりついたところなんか、いかにも気の毒だもんなあ。わたしのお鍋はまだまださらっとしており気の毒には到底及ばない。