こないだ、皮膚科にいった帰り道、ふだん立ち寄らないスーパーマーケットをぶらついたらパイナップルが安かったので、ぶらさげて帰った。まな板に、まるのままのパイナップルを載せると、気持ちにすこし張り合いがでる。はっぱをストンと落として、立てたまま皮を削いでいく。花の跡がぽちぽちと並んでいるのを包丁をいれて切り取りながら、たしかパイナップルのこれの並びがフィボナッチ数列ではなかったかと思い出して数えてみたが、三次元に斜めに配しているもんだからよくわからんかった。割り切れない気持ちで硬い芯をぽりぽりと噛んだら、ベロの先の傷がパイナップルのプロテアーゼのせいかしくしくとしみた。
数学ガール/ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3)
- 作者: 結城浩
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2009/10/24
- メディア: 単行本
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一年ほどまえ、セイちゃんが風邪をこじらせて町医者から紹介状をもらって総合病院にいくタクシーで、空気のよめない運転手が、男手一つで育てた息子の自慢をやらかしだし、しんそこ辟易したのだが、そのおじさんの教育論とやらでは、数字を教えるときには、イチニサンシと教えるべきで、イチニサンヨンと教えてはいけない、なぜなら九九をやるときにはニシがハチ、シシジューロク、とヨンではなくシでやるから、こどもが混乱しちゃうでしょというので、あほらしと思ったんだった。こどもなんていくらでもつまづいたらよろしい。そんなしょーもない小石を拾ってやるようなおべんちゃらをこどもにやってどうすんのかね。世の中は理不尽の連続だよ、おじさん、と、熱でぐったりするセイちゃんを抱えておろおろしている場面で金を払ったうえで乗るタクシーの車中でくだらん話をきかされるまったくの理不尽に直面しながら思った。