まみ めも

つむじまがりといわれます

不思議な事があるものだ

ドーナツの半額セールをやっていたので、週末のおやつに食べた。わたしはチョコファッション一択、セイちゃんにはポンデリングエンゼルフレンチ、宿六はエンゼルクリームとダブルチョコレート。セイちゃんは、穴のあいたドーナツが好きなんだと勝手にこちらでおもっている。宿六のエンゼルクリームは、クリームパンめいた穴のないやつなのだが、わたしはドーナツは穴があってナンボ、穴のないドーナツを選ぶというのがそもそも選択肢にないので、穴のないドーナツをあえて選ぶ宿六はちょっとしたもんだと思っている。ちょっとしたもんだとしか思っていないともいえるが。セイちゃんに、穴のあるドーナツが好きだよね、ドーナツは穴も食べないとだもんね、と話しかけると、真ん中の空洞のところを指でちょっとつまんで食べる仕草でおどけてみせる。それを見て、なんか高度なことをやりおるようになったなあと母は感心するんであった。

不思議な事があるものだ

不思議な事があるものだ

宇野千代最晩年のエッセイと短編。あっという間に読み終わる。宇野千代は、男性遍歴もなかなかのもの、まえに読んだ料理本ではちょっとおそろしいぐらいの天真爛漫ぶりを発揮していたので、好きなように生きて、はは、ははははは。と笑っているイメージだったが、それなりの懊悩もあったことが知れた。

ここに書いた人は、もうこの世には誰もゐない。今は私だけが生きてゐる。
なぜ私だけが生きてゐるのか、考へたこともない。

なぜ私だけが生きてゐるのか、考へたこともないというところに思いを馳せるあたりが彼女の魅力なんであって、本当の天真爛漫なばーさんだったら、なぜ私だけが生きてゐるのか考へたこともないなんてことを考えることもないだろう。