まみ めも

つむじまがりといわれます

パノラマ島奇譚

連休の中日は動物園にいった。暑さにへばったパンダのうしろ姿に行列ができていた。その最後尾に含まれる。パンダはすべての期待を心地よく裏切ってくれる。とはいえ、本当はこっち見て手を振ってくるパンダなんて、誰も求めていないのであって、ちょっと獰猛そうな瞳といい、裏切ることで期待にこたえてくれているのが、本当のパンダなんだろう。セイちゃんに、動物園でなにがみたい?ときいたら、ぞうさんと、きりんさんと、おうまさん!と元気にこたえる。それで、まず、パンダの背中をみたあとで、ゾウが草をむしゃむしゃやるのを眺め、モノレールに乗り、シマウマ、キリン。お昼は園内のイートインで、お定まりのお子様カレーとパンダサンデー。それからモノレール、も一度ゾウをみて、きわめつけに出口のこども遊園でトーマスの乗り物に乗せてやった。わたしがこどものときはお子様ランチもコインカーも憧れだったな。でも、憧れてることなんて、言い出せなかった。ちょっとセイちゃんがうらやましいな。

パノラマ島奇譚
石榴
恐怖特急を読んでいたらミステリー熱が盛り上がり、乱歩を図書館で予約した。パノラマ島奇譚は、なんかの本で紹介されていたと思うが、種村季弘だったかな。ぬめぬめしたなめくじの粘液のようなしつこいワールド観がたまらん。乱歩の作品は、単にミステリーという容れ物におさまりきらず、軟体動物の曲線をなぞるような冷たくしっとりとした耽美さがあり(たとえば、石榴という単語から感じる不穏さと妙な官能)、その質感の気色悪さが妙にわたしをうっとりさせる。