先週から結局三日半やすんだ。三日半ですんだのは、義母が三遍も足を運んでくれたからなんであって、義母がくるたびにご馳走を持参してくれるものだから、一挙に食卓が華やかになった。寿司に焼き鳥、葡萄に餃子に肉まん。今半の肉ですき焼きもやった。翌日はうどんすきをした。留守番のセイちゃんの昼飯がドーナツ三個だったりもし、わたしも思わず苦笑いしてしまったが、宿六が義母に説教をたれていた。でもまあ、常態でなければよいかと思わんでもないし、思い切り甘えさせてくれる人がいてもいいだろうという気もする。わたしはとても甘やかしてばかりはやれない、ふとするとむくむくと鬼のような気持ちがもたげてきてこどもを容赦なく叱りとばしてしまう。わが子はとてつもなくかわいい、ちょっと怖いぐらいかわいいが、同時にとてつもなく憎らしくもなる。恋だって、好きなだけというのはそういえば物足りなく、憎らしくてしかたないので結婚したようなところもあって、結婚はちょっとした復讐であったりもする。そういうふうにしか生きられないのだから、しょうがない、宿六には犠牲になっていただこう。
- 作者: よしもとばなな
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/07/27
- メディア: 文庫
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