フクちゃん、よく喋るようになってきた。夜、ごはんのあとはすぐに布団にいきたがって、そのくせ布団ではすぐに寝ないで、いろんな話をする。こないだ、図書館に歩いていった日は、としょかんにいったね、と言うと、ピーポーピーポー、そと!と、図書館のそばで救急車のサイレンがきこえたのがよほど印象にのこったらしく、そればっかり言っている。ピーポーピーポー、そと!そうだね、きこえたね、と相づちすると、ウン、と満足げなのだが、何度もおなじやりとりをするうちにねむたさのせいなのか言葉がおいてけぼりになり出して、ピーポーピーペー、ピッペーピッポー、となったりしてきて、うやむやしてきたところで寝てしまう。他愛ないもんだなと思う。
- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 1997/02
- メディア: 単行本
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短編は、オドラデクのやつがいちばん好きだと思うが、あれは、洗練されとるのだろうか。