まみ めも

つむじまがりといわれます

いまも、君を想う

火曜の午後に雪が降って、翌朝は門が凍りついてあかなくなった。セイちゃんは遊歩道の脇、草の上に残るわずかな雪を探しながら踏んで歩く。埼玉の雪は、水分の多い重たい雪で、たいして積りもしないのに長く残る。解けるというよりは、凍りついたものが、風化していくように少しずつ、乾燥した空気に削られていくみたいだ。北陸では雪が近づくと雷が鳴って、暗く重たい雲がひろがり、しんしんと冷えたが、関東の雪には明るさと軽さがある。梅も咲いているし、こころの片隅に春がある感じ。きょう、また雪になり、ずっと降り続いている。咳がでて、なんとなく寒いような、パブロンを飲んで、億劫なのでパジャマのまま過ごしている。パブロンは、噛むようにして苦味をあじわうのが好き。

いまも、君を想う (新潮文庫)

いまも、君を想う (新潮文庫)

年末にブックオフで105円で買った本。城山三郎「そうか、もう君はいないのか」も辛いタイトルだったが、「いまも、君を想う」というのも悲しさが約束されている。城山三郎も、川本三郎も、奥さんの第一印象が妖精だったところまでおなじ。三郎さんには愛妻家が多いのかもしれない。迷惑かけてごめんね、という奥さんに、もっと迷惑かけろよ、とこたえる川本三郎のことばが沁みて、京浜東北線で泣いた。
城山三郎には「もう、君には頼まない」という本があって、ブックオフで見かけるたびに人知れず傷ついている。