土曜日はフクちゃんの誕生日。二歳になった。ふたつだよ、二歳だよ、とピースをしてみせると、自分の手をまじまじと見つめて、デキナイ、というんで、指を折ってピースを作ってやる。しましまの服が好きで、その上「あり」のしましまと、「なし」のしましまがあるらしく、ほかのしましまには見向きもせず二種類のしましまを交互で毎日着ている。誕生日は、白と黒のボーダーのTシャツに、ブルーとネイビーのボーダーのスパッツを履いて、なんだかもう目がちかちかするのだが、本人は至って得意だった。しましまでない服も着せようと、しましまを隠して箪笥をあけてみたら、腹をたててなかなか着替えなかった。なにがそんなにいいんだろう、と思ってふと気がつくとわたしもボーダーを着ていることが多い。ちかちかした母子にうつるに違いない。
朝のうちにイオンで週末の買出しをすませ、イオンの中の不二家で予約してあったわんわんケーキを受け取り、お昼は簡単にキャベツとサラミの巣篭もりの目玉焼きトースト、昼寝させたところに義父母が到着。義母がデパートでご馳走を買い込んできてくれた。昼寝から起きておやつにわんわんケーキをたべ、公園にでかけ、つめたい風がふいていたが、みんなでかくれんぼをしたり、ぶらんこにのった。フクちゃんはぶらんこを漕ぐのが得意で、危なくないかとおもって傍にたって、背中を押したりしようものなら怒ってしまう。ちょっと離れたところに立たされ、ぶらんこの歌を延々と歌わされた。
フクちゃんのリクエスト(といっても二択)は、ハンバーグだったので、ガストでお子さまランチの宅配をお願いしておいた。お子さまハンバーグとお子さまカレーと、オードブル。あとは義母が買ってきてくれた日本橋高島屋のお鮨。お鮨はサビ抜き一人前をふたつ、サビ入り二人前をふたつ。義父と二人前を分けたが、二貫ずつと安心していたら、最初に雲丹をふたつあっさりと奪われてしまった。ちいさく衝撃を受けているわたしをよそに、義父は好みのものから順にふたつずつ食べて、めぼしいものがなくなったところで、「まみ、どんどん食べなさい」とのたまった。ありがたく頂戴。セイちゃんはサビ抜き一人前をぺろりとたいらげ、フクちゃんは上の刺身だけを食べようとするのでお鮨は撤収、お子さまハンバーグについてきたポテトフライに、ケチャップをつけて舐め、いもはいつまでたっても齧らない。お誕生日ぐらいはいいかと思い、好きにさせておく。義父母を見送り、風呂をすませ、いつもと違うスケジュールにフクちゃんは泣きわめいたが、九時にはなんとか就寝。
プレゼントはトミカのちいさいパトカー。欲しがった割にはたいして見向きせず。100円ショップで買ったマイクを握ってうたうほうが好きで、セイちゃんとふたり、爺婆に鉄道唱歌を披露していた。
鼻たれだったが元気で二歳を迎えられてよかった。一年前、二年前の日記を読んでなんだか遠い出来事のような気がする。破水したときの妙などきどき、うまれたあとの血のにおい、当時のセイちゃんの様子など、久しぶりで思い出して、取り返しのつかない日々を生きている実感がする。
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