まみ めも

つむじまがりといわれます

爪と目

ここのところ、お昼の弁当は毎日サンドイッチ。人参をしりしりして、生のままオリーブオイルと酢とバルサミコ、砂糖と塩とこしょうしたのを冷蔵庫に作っておいて、レタスとチーズとピクルスにマヨネーズをしぼり、トーストしたパンではさんだものを、もう二週間ほど食べ続けているが、これが信じがたいほどにおいしいのでちっとも飽きない。主婦の性として原価計算をしてみたが(つげ義春の嫁も川崎長太郎の嫁も旅先の宿で原価計算をやっていた)、パンが二枚で20円、チーズが一枚25円、レタスとピクルスと人参は一週間であわせて100円くらいのもんなので、一食で100円程度しかかからない。いわれのない優越感にひたされる。サンドイッチを食べたら、インスタントのコーヒーをいれて、すすりながら図書館で借りた本かブックオフの均一棚で105円で買った本を読んで、なんとも金のかからない暮らしだとおもう。

爪と目

爪と目

お正月の鎌倉で義父の書斎から借りてきたうちの一冊。義父らしく、新聞の書評欄の切り抜きがいくつか挟んであり、それを読むと、三歳の女の子の目を通して、継母と無関心な父との生活を描くホラーとあって、ホラーの語句にたじろいだが、読んでみる。不快感が水面下でうごめいているような物語で、丁寧に行動や考えは描かれているのに、そこに生々しい思いがないのっぺらぼうの怖さがあった。