実家に帰った翌朝、庭先で遊んだセイちゃんが家に入ってしばらくしたら、目をかゆがってみるみるうちに腫れぼったくなった。慌てて休日診療をやっている病院に電話をし、小児科医のいる病院を教えてもらって宿六に連れてってもらう。なんらかのアレルギーなのか、一時的なものですぐにおさまったが、サワイの粉薬をもらって帰ってきた。その間に買出しをすませ、午後は山へ行く。山の中のログハウス(山のおうち)にいき、荷物をひろげ、布団にシーツをかぶせ、兄夫婦も合流し、おはぎとお茶。露天のジャグジーに家族四人で浸かる。裸で外に出るとさすがに山の上はさむく、ぬるい湯にすこし冷えを感じながら、みんなでばしゃばしゃやっていると、ホーホケキョと鳴く声、まっすぐのヒコーキ雲がちぎれてうねりながらゆらゆらと空に滲んでいくさま、カラスがとんだり、落ちてきた葉っぱにあおむしがついていたり、のどかなお湯をたのしむ。夕飯はBBQだったが、あんまり冷えるので暖炉に火をいれて、外で焼いた肉を室内に運んでもらいながらたべる。食後はカラオケマシーンで童謡を歌い尽くす。三階でねたのだが、暖炉の熱がすべて上にいくので、汗だく、布団をかぶらずにファンをまわして寝たが、朝になってもぬくかった。翌朝は雨だったので外にはでないで、図鑑を眺めたり恐竜のテレビをみたりしておそ朝にはや昼でごはんをすまして山をおりた。
- 作者: 松浦弥太郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/04/18
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それにしても松浦弥太郎という人は、肉体のないようなプラトニックな中性的な人を想像していたが、しっかりとキスや性交をいたしており、家庭もあり、しかしやっぱり中性的で、あくまで自分の気持ちにまっすぐ、じめじめしたところがない。財布もなんにも持たずに手ぶらで用事にでかけて、のどが渇いたら公園で水を飲んで、という話がいいなあと思った。