まみ めも

つむじまがりといわれます

ぼくのしょうらいのゆめ

じっとしているとうすら寒いのに、歩き出すと湿気がまつわりついて汗が出る。その境目の空気と、駅構内を人が行き交う動線の流れとに、ケミカルブラザーズのThe Sunshine UndergroundやDream Onが心地よい。金曜の朝はそんな感じだったが、会社につくなり、どこのオネエかと思っちゃいました、と後輩にいわれるほどひどい声をしていた。仕事がおわってお風呂とごはんを済ませたら、左脚の付け根の骨盤が砕けたようになって、なんだかおかしいと思い出したらみるみる辛くなってきて、その日はパブロンを流し込み、こどもと一緒に寝てしまった。病み上がりのフクちゃんが夜中に何度かどうしようもなくぐずったので辛かったが、翌朝にはだいぶよくなった。土曜は代表戦を朝から見つつ、おいなりさんやぶり大根を煮て、昼寝をし、一日のんびり過ごした。

どういういきさつか忘れてしまったが、市川準の映画をみようとでも思ったのだろう、図書館の蔵書検索で引っかかってきて、ラインナップを見て借りることにした。
市川準 映画監督
内田裕也 ロックンローラー・俳優
大竹伸朗 画家
関野吉晴 医師・探検家・人類学者
祖父江慎 グラフィックデザイナー
高橋悠治 作曲家・ピアニスト
田中泯 舞踊家
谷川俊太郎 詩人
野口聡一 宇宙飛行士
舟越桂 彫刻家
吉本隆明 詩人・文芸批評家・思想家
和田誠 イラストレータ
それぞれ、こどものころからのことを語り納めている本で、しょうらいのゆめ、と銘打っているが、なにかになりたくてとことん努力したというようなモデルはひとつもなく、どちらかというとなるようになってこうなった、という人が多くて、なんとなくほっとする。田中泯が言うように、『「何かを目指すということすら忘れている自分」が一番好きなのかもしれません』というスタイルでやってきた先に職業があるのが理想的だけれど、凡人にはなかなかそれは難しいので、好きな本を読める暮らしであることでよしとしよう。和田誠が、中高と授業中もテスト中もずっと先生の似顔絵を描くことに費やしていた、その中で、ある先生が真っ白の答案の裏の似顔絵に点数をつけてくれたというエピソードがすごくよかった。あとは、市川準が神田の美学校にいっていたとき、講師だった唐十郎が「今日は雨の音がなかなかいいから、雨の音を聞きましょう」といって、みんなでずっと雨垂れをきいたというのも素敵。
きょうになってまた節々の痛みが戻ってきた。しんどい。