まみ めも

つむじまがりといわれます

つげ義春の世界

ひびの入っていたiPhoneを落っことしたら、液晶に白の濃淡で縦縞模様が浮かぶようになり、一番濃い縦縞の浮かんだ右側のある一定の部分だけがクリックできない羽目に陥った。その場所には文字削除の×ボタンやメールの送信ボタンがあるので、文章を間違えたときにはなおせないし、がんばって文章をつくったところでメールを送れない。一週間がすぎたが、返事を要するメールをくれたのは宿六とおかあさんだけであり、メールの返事代わりに電話をすればよろしく、そのほかの人からの連絡もあるにはあったが(二通だけ)、もともとこまめに連絡をとらないので、返事をしなくても一向に自分のほうでは支障なかったが、一応新しいものに買い換えて、やっと設定が終わった。

池内紀川本三郎を読んでいたら、つげ義春のものが読みたくなって図書館で予約。
“李さん一家”の国境線 赤瀬川 原平
存在論的反マンガ 石子 順造
笑わぬオカッパの少女論 唐 十郎
すべてこれ貧窮問答歌 川崎 彰彦
子どもマンガにおける<生>の論理 梶井 純
不可能性への出版 菊池 浅次郎
山椒魚」の完璧性と生存の問題 桂 善隆
出家遁世の隠者の芸術 佐藤 忠男
内蔵外出は表現への転換点 鈴木 志郎康
マンガ批評家=つげ義春 左右田 本多
水色のユーモア 竹内 健
不随意のイメージ「ねじ式」 谷川 晃一
凝視を誘う風景 波多野 哲朗
羊水のやさしさ 由良 君美
詩的な時代の恐怖絵図 吉増 剛造
つげ義春ミステリィ 宮川 明子
自伝的回想記 つげ 義春
密航 つげ 義春
犯罪・空腹・宗教 つげ 義春
陽気に踊る土着の大衆 つげ 義春
沼 つげ 義春
李さん一家 つげ 義春
ゲンセンカン主人 つげ 義春
ただ、わたしはつげ義春そのものをさほど読んだことがないので、よくわからないのだった。みんな饒舌すぎるほどつげ論を語っているが、当のつげ義春は「ほんとうに何を考えているんでしょうねえ、何か考えているんでしょうか、自分でもわからないんですよ‥‥」と人を食ったようなことをいっていて、でもそれはほんとうだろうなと思う。その奥があるようでない感じがつげ義春の魅力かもしれない。つげ義春に対して、カフカだとか深沢ヒチローが引き合いに出されているのは腑に落ちた。要はナンセンスということかもしれない。今度はつげ義春が書いたり描いたりしたものを読もうと思う。