まみ めも

つむじまがりといわれます

うちの秘蔵っ子

名古屋場所が千秋楽をむかえた。豪風関が35歳にして史上最年長初金星で中年に夢をくれたし、中盤で白鵬が肘にテーピングするようになり、ついに土がついて、二敗が白鵬琴奨菊、三敗が豪栄道と高安、もつれこんでいよいよおもしろくなってきた。大砂嵐の二横綱撃破もよかったし、なにより白鵬とがっぷりよつに組んだ一番がものすごかった。かち上げなしで上にあがっていけるお相撲さんだと思うので、がんばってほしい。その大砂嵐と遠藤の取組もよくて、大砂嵐のかち上げの内側にさっと入りこんだ遠藤にもしびれた。こどもたちが昼寝から覚めておやつのドーナツを食べたら、みんなで千秋楽をたのしみたい。

うちの秘蔵っ子―著名人30名ペット・フォト&エッセイ集

うちの秘蔵っ子―著名人30名ペット・フォト&エッセイ集

馬鹿犬賢太郎 阿川 弘之
小説家がペットと暮らす理由 浅田 次郎
ラブの現実 小川 洋子
涅槃に生きる 小田嶋 隆
こんなはずでは 金子 達仁
ディズニーも魅了されたシャム猫のほんとうの醍醐味 川本 三郎
不思議の国の猫 北村 薫
犬に埋もれて 久世 光彦
雪を泳ぐ犬 小林 和男
笑うシロ 近藤 啓太郎
「コマ」とよばれて 鷺沢 萠
招き猫 佐藤 雅美
こわいい猫 佐野 真一
エリド様 篠沢 秀夫
熊とニボシ 東海林 さだお
三匹それぞれ 高橋 克彦
母性ある猫 谷村 志穂
「不幸」という名のイヌ 檀 ふみ
ギュウ&ブラッキー 常盤 新平
柴犬三代 中野 孝次
コロと小太郎 中村 彰彦
猫派転じて…… 中村 紘子
血統書付きのピョンコと迷い犬のジャガー 西木 正明
酔っ払い作家の飼う犬はビールを飲むか飲まないか 馳 星周
夕焼け家族 畑山 博
猫の事務所で 早坂 暁
四匹四様 早坂 茂三
我が家の犬たちの忘れられない思い出 平岩 弓枝
ナマズはなんでも知っている 水木 楊
南窓・夢見・三猫伝 森本 哲郎
豪華顔ぶれによるペットに関するエッセイにスナップつきで、フラッシュをばんばん使っている生々しいスナップに映り込むふだん着の作家の部屋や暮らしぶりまでたのしい。
冒頭のアガワさんがレトリバーを飼うと言い出したときに、檀ふみが「流行の犬を飼うものではありません。ゴールデンレトリバーはバカです。日本語は通じません。どうしても飼うならメスになさってください」と進言するメモをよこしたのに、アガワさん、思いとどまれずに「バカ犬を飼った。しかもオスだ」とメモを返したらしい。こういう応酬はすごくらしくっていいなあ。
うちにいる動物といえば、庭の甕のなかに、何年か前に植木屋がめだかをたくさん放してくれて、夏の炎天にも野ざらし、冬には氷が張って、そのなかでも一匹だけ残ったのがいる。こっそりオドラデクと呼んでいるが、声に出して呼びかけたことはない。梅雨のあいだに、その甕に蓮の花がひとつだけ咲いた。なんとなく信じられないで、写真を撮ろうとおもいながら眺めるうちに花は終わってしまって、ちょっと幻のようで、写真にのこらなかったのはかえってよかったかもしれない。ときどき、こじんまりとしていた蓮の花の透明さを思い出す。なんとなく蓮が咲いて、オドラデクはもういないのかもしれないという気もするが、たしかめていない。