水曜のお迎えのときに、フクちゃんのからだに発疹がでています、と知らされた。そういえばという感じで、朝から平熱よりすこし体温が高いようだった。お風呂につかったら、発疹が赤くなって目立った。全身にひろがっている。夜は、なんとなくくたびれるのかあっという間に寝てしまった。木曜の夕方に園から電話があり、おやつのときに少しだけ戻したという。仕事を終えてからお迎えにいくと、事務室の奥にねかされていた。何回かもどしたらしい。靴をはいていたら、キモチワルイ、デチャウ、と泣き出し、あわててビニール袋をだすと、その中に上手に吐いた。家に帰って、テレビを見るあいだは普通にして、欲しがるのでポカリスエットとおやつをあげたが、やっぱりもどしてしまった。すこし服がよごれたのでシャワーで軽くながした。夜はおかゆをごはん茶碗に1/3ほどたべて、それはもどさなかった。なんとなくこちらも頭痛のような違和感が前日からあって、朝ごはんはパンとフルーツとヨーグルトしか食べないのにもたれるようなと思っていたら、夜は食欲もなく、下半身がけだるくなって、こどもと一緒に九時前にねてしまった。翌朝、フクちゃんは37.5度でお休みをもらい、病院にいく。溶連菌の検査もしたが、陰性で、このまま治るというので薬ももらわないで帰った。いよいよ下半身がだるくなり、座っていてもしんどいので、フクちゃんにはテレビをみてもらい、床に敷いた布団にのめっていたら、フクちゃんが畳んであった毛布を四枚も五枚も、あるだけ運んでかけてくれた。意識をうしなうようにウトウトして、昼前にやっと起き上がり、おかゆと煮物でごはんをし、すこし楽になって昼寝するフクちゃんのそばで本を読んでみたが、いつの間にかまた寝てしまった。だいぶ元気を取り戻したので、買い物、セイちゃんのお迎え、帰ってからサラダや煮物やスープを作った。夕飯はカレーライスとスープにサラダ、とうもろこし。いったん起きて日本代表の試合をみながらビールをコップに半分のんでみたが、気分のらず、よしておく。アイスクリームをたべて、前半がおわったところで寝る。
- 作者: 久生十蘭
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1975/08/10
- メディア: 文庫
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予言
母子像
久しぶりに久生十蘭を読みたくなって図書館で予約。文庫で、読んだことのないタイトルのものを選ぶ。母子像だけは既読。表紙のデザインの白井晟一の名前を最近どこかで見たような気がしたが、戦後日本住宅伝説にでていた虚白庵の建築家だった。やたらストイックな趣の家。「肌色の月」の執筆中にがんが見つかり、そのまま結末のできないままだったのを、ずっと口述筆記をやっていた奥さんの久生幸子さんが結末をつけたし、その経緯をあとがきに書いている。
小説を書くこと、この人にとって最上の楽園であったのかもしれない。自分の小説の筋を語って涙を流し、大きな声で笑う。本当にたのしんで、すっかりその中に溶けこんでしまう。羨ましいといつも思った。
封建的な夫だった十蘭が、なくなる前日に頭をなでてくれた、というその話をやっぱりなにかのあとがき(日本探偵小説全集8 久生十蘭集)で読んで、そのときも泣けてしかたなかったが、今回もやっぱり通勤電車で涙ぐんでしまった。最後のさいごまで生きようとしていたと知って、胸がうたれる。こんなにおもしろい話をたくさん書いたのに、会心の出来のものはひとつもなかったらしい。会心の出来のものを読んでみたかった。この文庫は、なかでも十蘭の好きな作品を収録したもの。「予言」「母子像」の幕切れのあっけなさがいかにも十欄の作品という感じで、しびれる。