フクちゃんの妊娠中から、まぶたのとこや唇の皮膚がかゆみをもって、赤くなったり、かさかさしたり、皮がむけたりして、治ったり再発したりを繰り返す。皮膚科にふたついってみたが、ステロイドと保湿剤とワセリンを処方されるばかりで、なんだか腑に落ちないでいた。足掛け三年の皮膚科ジプシーをなんとかしたいとおもって、アレルギーをうたっている皮膚科にすこし遠いがでかけてみることにした。土曜の九時すこしすぎ、玉蔵院のまえの路地をはいったところについてみると、すでに自転車がたくさんならんでいて、まさかと思って受付をたのんだらすでに診察の番号が56番だった。問診票に記入して、待合室の椅子もあいてないので往来をぶらぶらいくと、伊勢丹の裏のさくら草通りにベンチがあって、飲み明かした風情の学生さんがウトウトやっている。ちょうど空いているベンチをみつけたので、荷物をおろし、本を読むことにした。ビル風がほどよい爽やかさで通る。一時間ぐらいするとぽつぽつと雨が落ちてきて、本が水玉になってきたので、閉じ、駅のむこうのパルコにいって、靴下を三足、水玉のハンカチを二枚、靴下のひとつをすぐにあけて靴ずれしかけている足に履く。ぶらぶらウインドーショッピングしながら病院にもどり、待合室で立ちながら本を読んでいたら、ちょうど二時間半で順番がきた。
診察室で看護師さんから問診があり、続いて女医の先生が診察してくれた。おそろしく活気のある病院で、まくしたてるような診察なのに、にこにこ元気で丁寧に説明してくれるのでちっともいやな気がしない。結局は事情もあってステロイドとワセリンというこれまでと同じ処方だけれど、全然納得がちがった。皮膚科ジプシーからようやっと抜け出せた、かも。
そのあとは別の病院で婦人科検診をうけて、コーヒーを飲んでスーパー寄って帰宅。朝の涼しい風がうそのように汗だくになった。
- 作者: 加藤文俊,木村健世,木村亜維子
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2014/07/09
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