今年の秋はぶどうに恵まれて、あっちこっちから都合十房はくだらない。皮ごと食べられるたねなしのもあれば、皮がかたくてたねも入っているのもあるし、木漏れ日みたいな淡いグリーンのマスカット、紫からグラデーションになっているのもある。毎朝、粒をまな板の上にならべて、皮をむき、半分に割ってたねを出す作業は、ちまちまとしてたのしい。ぶどうのフォルムと色のうつくしさ。先週の木曜日あたりから、ぶどうをいじくる指先に冷たさがしみてくる。ちょうど窓の外が朝焼けに染まっていく時間で、いよいよ秋もまんなかあたりかなと思った。
家族狂―横尾忠則Collection 中毒 (横尾忠則Collection中毒)
- 作者: 横尾忠則,安河内羔治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1996/09
- メディア: ハードカバー
- この商品を含むブログを見る