まみ めも

つむじまがりといわれます

全日本貧乏物語

6月19日金曜に北陸地方梅雨入り。みごとな梅雨空で一日中雨。玄関先ですみだの花火が咲いている。白い可憐なあじさい。ちょうど読んでいた庄野潤三「星に願いを」の2005年(?)の庭にもすみだの花火が咲いている。ほかには、アッツザクラ、みやこわすれ、ストケシア、ほたるぶくろ。

「文章に書かれた貧乏は楽しい。その楽しさにひたっていると、その楽しさに勝るものはないと思ってしまう」(解説より)。家出して、一年間同じコートを着つづけた遠藤周作。ちり紙を買う金さえなかった内田百けん。作家や芸術家らが貧乏だったあの頃を振り返る、ちょっと懐かしいエッセー集。

ブックオフオンラインで貧乏という検索語でひろってきたアンソロジー。108円。尾辻克彦の貧乏話がとんでもなく、思い出すだけで口のなかになんともいえない風味(要は、はなくそ味)がひろがり、食欲がうせる。産後、体重が戻らなかったら食欲を減退させる読む薬として採用したい。用法としては1日3回食前食後?本は読んでも減らないのがありがたいけれど、人間は慣れるいきものだから、そのうちこの本を読みながら懐石料理なんかを堪能できるようになるかもしれない。
1 遠藤商会の慶応時代 遠藤 周作
2 漫画行商人 東海林 さだお
3 平和で裕福な秋の休日 椎名 誠
4 貧乏の味 種田 山頭火
5 夏の鼻風邪 内田 百間
6 風燭記 内田 百間
7 炉前散語 内田 百間
8 朝の地獄めしシイタケ騒動 篠原 勝之
9 表札はおどる 篠原 勝之
10 切りつめろ 高木 護
11 けものの愛 高木 護
12 少年とグルメ 尾辻 克彦
13 イラストレーター 渡辺 和博
14 エディター 渡辺 和博
15 贅沢貧乏 森 茉莉
16 貧乏性 村松 友視