まみ めも

つむじまがりといわれます

永遠の僕たち

昨日の図書館で、川本三郎の「旅先でビール」を久しぶりにすこし読み直した。「旅先でビール」はおとうさんが本好きの友だち(ヒデヨシさん)から譲り受けたのが実家の本棚にあって、もう10年以上前のことだと思うけれど、わたしがはじめて読んだ川本三郎だった。ヒデヨシさんは本が好きで、めがね屋さんをしながら暇に本ばかり読んでいて、ときどきそうやって本を譲ってくれるらしかった。うちの本棚のなかですこし浮いている題名、緑がボーダーになった背表紙と、くるりんとしたフォントにひかれて、ひとり暮らししていた東京に持って帰り、読んだら、文学や映画にまつわるエッセイで、なかで、女のひとが野天で放尿する小説、映画について書いた話がとても印象的だった。図書館の棚のわきにある椅子に腰掛けて、そのページを探してみたら、すぐにみつかった。288ページ。放尿した女性たちは、「ヴァイブレータ」の寺島しのぶ、「鞄を持った女」のクラウディア・カルディナーレ、「斜陽」のお母さま、「無限抱擁」の妻、「河沙魚」の千穂子。わたしが知っているのは「斜陽」のお母さまくらい。放尿する女性たちのメモをとったらすっきりした。いつかこれを全部読んで、みてみよう。わたしがお天道さまの下でおしっこした最後は、いつだっけなあ、と考えながら、図書館のトイレでおしっこをしてから帰った。

永遠の僕たち [DVD]

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原題はrestless。テレビの録画。監督は「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」のガス・ヴァン・サント加瀬亮が神風特攻隊員の幽霊として登場。他人の葬式めぐりをしている少年(デニス・ホッパーのひとり息子のヘンリー・ホッパー)と死にゆく少女との透明な恋物語。そういえばデニス・ホッパーのすごい経歴があったなあとメモを探ったら、川本三郎の「ダスティン・ホフマンは『タンタン』を読んでいた」で、デニス・ホッパーがハリウッドを離れてコミューンで暮らしたころ、アルコールとドラッグに溺れ、ラムをがぶ飲み、コカインを10分おきに打って、地元住民のリンチにマシンガンで武装し最後は病院送りという逸話で、なんど読んでもすごい話。