昨日の図書館で、川本三郎の「旅先でビール」を久しぶりにすこし読み直した。「旅先でビール」はおとうさんが本好きの友だち(ヒデヨシさん)から譲り受けたのが実家の本棚にあって、もう10年以上前のことだと思うけれど、わたしがはじめて読んだ川本三郎だった。ヒデヨシさんは本が好きで、めがね屋さんをしながら暇に本ばかり読んでいて、ときどきそうやって本を譲ってくれるらしかった。うちの本棚のなかですこし浮いている題名、緑がボーダーになった背表紙と、くるりんとしたフォントにひかれて、ひとり暮らししていた東京に持って帰り、読んだら、文学や映画にまつわるエッセイで、なかで、女のひとが野天で放尿する小説、映画について書いた話がとても印象的だった。図書館の棚のわきにある椅子に腰掛けて、そのページを探してみたら、すぐにみつかった。288ページ。放尿した女性たちは、「ヴァイブレータ」の寺島しのぶ、「鞄を持った女」のクラウディア・カルディナーレ、「斜陽」のお母さま、「無限抱擁」の妻、「河沙魚」の千穂子。わたしが知っているのは「斜陽」のお母さまくらい。放尿する女性たちのメモをとったらすっきりした。いつかこれを全部読んで、みてみよう。わたしがお天道さまの下でおしっこした最後は、いつだっけなあ、と考えながら、図書館のトイレでおしっこをしてから帰った。
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