まみ めも

つむじまがりといわれます

赤線地帯

金曜雨。一日中よく降った。ひる前に買い物につきあう。こないだおかあさんが出してくれたお茶うけの奈良漬を久しぶりにかじった。濃厚な発酵ぶりにくらくらするほど懐かしい。立ち寄った道の駅で奈良漬用の白うりをみつけて、おかあさんが、漬けてやる、といってひと箱購入。鴨志田譲「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」で、アル中病棟から退院した人が、奈良漬ひと切れでフラッシュバックするエピソードを思い出す。久しぶりに齧ってみて、たしかに奈良漬は脳髄にひびく漬物だなあと感心する。魚金でうなぎ、山田で氷室饅頭。山田屋は雨のなか次々と客が訪れ、ショーケースには最中と草餅がひとつだけ。饅頭をたずねると、奥からほかほかしたのをもってきて、紙袋にいれてくれた。白と赤を6個ずつ。紙袋を抱えてふんわりほっこりしたあたたかさが底から手のひらに伝わって、それだけでおいしい気がする。昼はさんまの押しずし、トマト、ひじきのサラダ、煮豆。午後は家のなかで本を読んで過ごした。雨が降り続く。夜、鯖のみりん焼き、卵焼き、きゅうりの漬けたの、トマト、煮豆。ウルトラマンの茶碗が割れてしまった。

赤線地帯 [DVD]

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若尾文子の名前がでていたので録画。プレミアムシネマ。1956年。月曜の診察のあと、疲れた午後にソファで寝そべりながら再生。いい映画、だけど、内診でくったり疲れた心身にはちょっとこたえる救いのない内容。

売春禁止法をモチーフに女性たちの生き様を表現した、溝口健二監督の真骨頂とも言うべき女性映画の名作。赤線地帯にあるサロン“夢の里”で働く様々な女性たちを描く群像ドラマ。父の保釈金のために働くやすみ、失業中の夫をかかえたハナエ、元は黒人兵のオンリーだったミッキーら、女たちはそれぞれにたくましく生きていく。

京マチ子(ミッキー)、若尾文子(やすみ)、木暮実千代(ハナエ)、三益愛子(ゆめ子)ととにかく女優陣の演技が個性的でいきいきしている。若尾文子のちょっと太刀打ちできないうつくしさは、こういう鼻持ちならない女を演じさせるとぴったりだなあ。黛敏郎の音楽もいい。