まみ めも

つむじまがりといわれます

父と暮せば

先週のお昼はサラメシ・セレクション、過去のサラメシの再放送をやっていて、たのしませてもらった。金曜日、著名人のサラメシは安西水丸。アジャンタのマトンカレーとラッサムスープ。やっぱり安西水丸はカレーじゃなくっちゃね。お店のマダムが、いつも同じスタイル、シャツにジャケットだった、といっていて、いいなああああ、うらやましいいいとなる。毎日おなじ服なのでは?と思われるような格好を、できれば品よくかつ地味に、したいとおもうのに、煩悩のなせるわざなのか、ばらばらのテーストのものをあれこれ揃えてわやになってしまう。あと、安西水丸が、お店をあとにするときに「よかった」と声をかけてくれるのが、味がよかった、の、よかった、ではなく、カレーをたべてよかった、という風な「よかった」だった、とマダムがいっていて、なんていいエピソード。いつかアジャンタで安西水丸セットを頼んでみたい。そのときには体に馴染んだシャツにジャケットを羽織っていかなくちゃね。

父と暮せば 通常版 [DVD]

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はじまって2分ほど、なんか知ってるなあとおもったら、井上ひさしの戯曲を読んでいた。ほぼ、父と娘のふたり芝居で進行するドラマ。父は原田芳雄、娘は宮沢りえ原田芳雄がすごくよくて、ちょっとうっとうしいかわいらしいおとったんを演じている。原爆や戦争の体験は、ともすると視覚的な悲惨さだけがあとに残ってしまうけれど、この映画ではなまなましいものは一切なく映像としてはあかるいのに、かなしく残酷だった。井上ひさしの戯曲に漂う空気を丁寧に映画化している。そして、ヒロシマだけではなくカミカゼやフクシマにも通じる、生きのびた人間の負わされる苦悩がしんそこ切ない。それでも、前向きに生きてほしい、だれかを愛して愛されてほしい、と思わずにいられない。