まみ めも

つむじまがりといわれます

イソップ株式会社

きのうの午後は公園に出かけた。山崎まどかが、「ブック・イン・ピンク」の中で

シマックを読むならば、よく晴れた秋の午後、落ち葉が降り積もる公園のベンチで

と書いていて、これならシチュエーション読みができるかもと、図書館でシマックを予約して虎視眈々と天気と落ち葉のタイミングを見計らっていた。きのうの時点で火曜は曇り、水曜は雨の予報だったので、やるなら今日しかないと意気込んで、魔法瓶にネスカフェを詰めて、シナモンロールをもって家を出た。公園は春にかけて大幅に樹を刈り込んだので、ベンチの下も木漏れ日が陽だまりを作っていて心地よい。しばらくふーちゃんをあやしたあとでベビーカーに寝かし、ペーパーバックの寄贈書のシマックをぺらぺら読む。魔法瓶のネスカフェはプラスチックのにおいがした。途中、得体のしれない小さな虫が飛んできて、しばらく活字を味わうように這いまわっていて、じっと眺めてしまう。ふっと息を吹きかけたら宇宙に飛んでった。3時半近くなって光線が斜めになり、風の中に冷たさが混じってきたので退散。20ページほど読んだ。これで秋のto doリストのひとつが片付いた。

108円のブ本。和田誠がイラストを手掛けていると、身内の気がして買ってしまう。

夏休み。いなかのおばあさんの家ですごす、さゆりと洋介の姉弟には、毎日父からの手紙が届く。そこには、一日一話の小さな「お話」が書かれているのだった。物語を通して生まれる、新しい家族の姿。

井上ひさしのお話は、いつも丁寧で爽やかなやさしさに満ちていて、和田誠のイラストとタッグを組むと、ホームに帰ってきた安心感がある。お話をひとつ読むごとに、添えられたイラストを見返して、ゆっくりゆっくり読んだ。