まみ めも

つむじまがりといわれます

作家の珈琲

土曜の朝は歯医者。奥歯の詰め物が合わなくなってきたのを治してもらう。視界をあんな器械やこんな器具が左右の両サイドから出ては引っこみするのを眺めつつ、口の中では一体なにが起こっているのだろうと想像を巡らせても、よくわからないので、目を閉じてみたら、見るわたしと見られるわたしのうちの片方がなくなり、世界が半分ほど目減りしたみたいで気持ちも妙に安心するのがおもしろい。
帰りがけにドーナツショップでホットコーヒーをおかわりして飲んでいたら少しずつ気持ち悪くなってきて、三週間くすぶっている風邪がいよいよしんどくなり、夕方は寒けがして湯船を追い炊き三回でとことん熱くしてウトウトしながら浸かり、今年初のヒートテックを着込んだ。ふらふらで晩の支度をすませ、温ポカリをすすっていたらようやく人心地がついて、いとこ煮や野菜スティックを少しつまみ、寝るまえになっておなかがグーグー鳴り出したので雑炊を茶碗に一杯たべて布団に直行。

202作家の珈琲 (コロナ・ブックス)

202作家の珈琲 (コロナ・ブックス)

新着資料の中から予約したト本。

井上ひさしのひょっこりひょうたんコーヒー、中上健次の宿酔いコーヒー、松本清張の甘党コーヒー、植草甚一のファンキー古本三昧コーヒー…。作家と珈琲の深い関係を示すエピソードが満載の一冊。

表紙は松本清張。このホワイトのコーヒーカップにはお砂糖がスプーン3杯も入れてある。というわけで、備忘のためにみなさんのコーヒースタイルを覚書。
安岡章太郎 ドリップで淹れた濃い珈琲に、温めたミルクと砂糖
山口瞳 クリームではなく牛乳で
中里恒子 コーヒーに三匙くらいの洋酒を入れて
井上ひさし 濃いエスプレッソに沸かした牛乳をたっぷり加えてカフェラテにして
安西水丸 深めの煎り方で、苦味と充分なコクのあるコーヒーをブラックで
北村太郎 まずブラックで一口すする。つぎに砂糖を入れて、また一口、そして最後にミルクをまぜて残りを全部飲む。
石井好子 濃いコーヒーを三分の一入れてあとはわかした牛乳を入れる。
三岸節子 カフェオレ
久世光彦 珈琲はブラックで
古川緑波 夏でも冬でも冷コーヒー
松本清張 砂糖をスプーン三杯も入れる
植草甚一 MJBのコーヒー
堀口大學 ネスカッフェのゴールド・ブレンドにコーヒー砂糖と生牛乳を入れて
星新一は紅茶派、三島由紀夫はお茶、芥川龍之介はお腹が弱かったからココアを飲んでいたらしい。安西水丸が愛用していたというカリタの陶器製の茶色いドリッパーとポットがいいなあと思ったけれど、もう売っていないようで残念。