アルゴ

薄曇りの週末。すこし頭痛の予感がして、湯船に肩まで浸かって追い炊きボタンを何度も押してあったまる。この季節はやたら鳥が目や耳につく。嘴と脚がオレンジなのは、むくどり。翼に明るい茶色が鮮やかなのは、つぐみ。名前を知るとちょっと親しい気持ちになる。庄野潤三の本にでてくる鳥たち。庄野潤三のよいところは、どの本を開いても同じようにむくどりやつぐみの話を何度でも繰り返しているところで、うざったがって話半分に聞いていた祖父母や父母の同じ話の繰り返しを、いまになって懐かしがっているところがある。庄野潤三は鳥の名前を書くときには、平仮名だったか、片仮名だったか、思い出せない。

アルゴ [DVD]

プレミアムシネマの録画。

『ザ・タウン』などのベン・アフレックが、監督、製作、主演を努めたサスペンス。
1979年11月4日、テヘラン。イラン革命が激しさを募らせ、その果てにアメリカ大使館を過激派グループが占拠し、52人もの人質を取るという事件が起きる。パニックの中、アメリカ人6名が大使館から逃げ出してカナダ大使の自宅に潜伏。救出作戦のエキスパートとして名をはせるCIAエージェントのトニー・メンデス（ベン・アフレック）は、6名が過激派たちに発見され、殺害されるのも時間の問題だと判断。彼らを混乱するテヘランから救出する作戦を立案する。しかし、それは前代未聞で大胆不敵、そして無数の危険が伴うものだった……。

勘弁してほしい緊張感の連続で、見終わったあとでどっとくたびれた。ベン・アフレックがほっとしたときに白眼をむきかける表情をしたので目を奪われる。前にテレビで柄本佑が出ていたときにも釘付けになったけれど、人が白眼になりかける表情をみると、そわそわしてなんだかうれしい気がする。柄本佑はいつも白眼をむきそうな顔をしていて、目が離せない。