おいしい生活

お休みはなにしたい？ときくと、ウルトラマンのおべんとばこでおべんとたべたい、とフクちゃんがいうので、日曜はちかくの公園でピクニックをした。お弁当には冷凍のからあげ、枝豆、プチトマトに卵焼き、塩もみのきゅうりを詰めた。おにぎりは、セイちゃんは昆布にのりの佃煮、フクちゃんはゆかりとこんぶ、宿氏はゆかりと鮭のふりかけ、わたしは梅と青菜のふりかけ。公園の草の上にあぐらをかいて、ひとり、熱心に本を読みふけっている小学生くらいの男の子がいたので、なにを読んでいるのか気になってたまらず、前をいったりきたり、よほど声をかけてきいてみようかと思ったが、よしておいた。オレンジの表紙の単行本、こういうとき、電車の中で背表紙をみただけで本のタイトルがわかる、わからなかったのは何年かで一冊だけ、といっていた目黒考二を召喚したい。

おいしい生活　―デジタル・レストア・バージョン― [DVD]

日テレ「映画天国」の録画。原題はSmall Time Crooksで、小悪党の意味。「おいしい生活」というのは糸井重里による1982年の西武百貨店のコピーで、ウディ・アレンがイメージキャラクターをしていたところから、このタイトルになったらしい。映画は2000年にアメリカで公開。

ドリームワークス製作によるウディ・アレン監督・主演作品で、久々にドタバタ色の強い痛快コメディ。元ギャングで一応（？）銀行強盗の経験もあるレイ・ウィンクラー。彼はある日、完璧な計画を思いつく。それは“銀行の近くの空き家を借り、そこから地下にトンネルを掘って金庫に到達する”というもの。が、その借りた空き家でカムフラージュにと妻のフレンチーが始めたクッキー屋が大繁盛する一方、肝心のトンネルは全然進まず……。

ウディ・アレンが無教養な人を演出すると、強烈にウディ・アレンの教養が透けてみえる。頼りないひょろひょろの愛すべきチンピラ男にけばけばしいファッションに身を包んだフレンチーは最高にいかすコンビ。俄然ミートボールスパゲティを作りたくなった。