きのう、フーちゃんとふたりで帰ってきたら、食卓にメモが2枚のっていて、セイちゃんからの手紙と、フクちゃんからの絵が描いてあった。セイちゃんからの手紙には「おかあちゃんこれからしもだへいきます。まみちゃんもふみちゃんもげんきできてね。だいすきだよ。」と相変わらずの鏡文字まじりで書いてあった。フクちゃんの絵はトーマス。夜泣きだし暑いし仕事も行き詰まってくたくたの気分がすこしだけふわっとした。きょうは帰りに自転車をこいでケーキ屋に寄って、モンブランと、クロワッサンにクリームを詰めてもらってきた。クリーム入りのクロワッサンはあしたの朝ごはんに。あしたから夏休み。フーちゃんとふたりで下田にいくので、帰ってから荷造りをした。夜のうちに洗濯機をまわしてベランダに干していたら左足の親指を蚊に刺された。夜は久しぶりにクーラーを入れずに扇風機をまわして眠る。
- 作者: 山内マリコ
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2014/11/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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長い間、『フィガロジャポン』を定期購読しているというのに、パリに行ったことがない。わたし、パリにすら行かずに、死んでもいいと思ってたの? 連作短編小説集。『フィガロジャポン』連載に書き下ろしを加えて書籍化。
猫いるし p7-18
雨ばっかり p19-30
一人でも行くわ p31-41
大人ですから p43-54
彼女を探しに p55-66
わたしはアナ p67-77
美術少女 p79-89
恋する女 p91-101
ラナと愛犬 p103-113
ワコちゃん p115-126
セ・ラ・ヴィ p127-148
わたしはエトランゼ p149-196
「パリ」がなかばファンタジーとして概念化しつつある女たちの物語。この本がますますパリを概念にしていく。パリは裏切りをはらんだ街で、でも、みんな、裏切られてみたいと思ってパリにいく。そして犬のウンコを踏んづける。