入社したときからお世話になっていた先輩が辞めることになり、木曜の夜は送別会だった。フーちゃんが生まれてから400日あまり、ついに夜の街へ繰り出す。思い余ってビールに日本酒を飲みすぎてふらふらになり、金曜の午前中はトイレで胃液をもどしながらなんとか仕事をこなす。午後になってあったかいココアをすすれるようになりかろうじて復活。北大路公子が、オリンピックをみるにつけ、簡単にあきらめるわたしのような人間がいるからあきらめなかった人びとが輝くのだ、と言っていたのを思い出し、胃液をもどしている人間の鈍色っぷりを思いながら、夜はグリーンラベルを一本だけ流し込む。
- 作者: ハルノ宵子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2014/05/09
- メディア: 単行本
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家猫、外猫、通りがかりの猫など、常時十数匹が出入りする吉本家。思想家の父・隆明が溺愛したフランシス子、ツンデレ捨て猫のシロミ…。吉本家に集う人と猫の生態をイラストを交えて綴る。『猫びより』連載を単行本化。
吉本隆明「フランシス子へ」を借りようと蔵書検索したらあがってきて、ハルノ宵子とはいい名前だなあと思って借りた。フランシス子はあとまわし。ちょうど両親の介護と死を看取る時期にかかれていた連載。とにかく猫がたくさん出てくるので驚いた。ときどき、猫が我が家の玄関先で雨宿りや日向ぼっこをしていて、おそらく半ノラなのだろう、近寄るとプイッといってしまう。猫という動物はどこまでいっても物足りなさを与えてくれるところがたまらない。