まみ めも

つむじまがりといわれます

夏への扉

金木犀のにおいと前後して鼻がぐずぐずし、肌が荒れ、喉がいがらっぽく、秋の花粉症で冴えない自分との一年ぶりの再会を果たす。かといって冴えてなくないときの自分がキラリグッドしているかというとさにあらず、ただ冴えてなくないだけなのがいたたまれない中年の定めであったりする。火曜の夜は久しぶりに外に出てワインを白白白赤赤に生生生。帰り道、YouTubeでデスキャブフォーキューティーのYou Are A Touristを繰り返し流す。懐かしく切なく恥ずかしい青いところをクンクンされる絶妙のダサさ加減。

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

ト本。

ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にあるいくつものドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。1970年12月3日、かくいうぼくも、夏への扉を探していた。最愛の恋人に裏切られ、生命から二番目に大切な発明までだましとられたぼくの心は、12月の空同様に凍てついていたのだ。そんな時、「冷凍睡眠保険」のネオンサインにひきよせられて…永遠の名作。

「あこがれ」を読んで予約。「文明の曙光が射してこのかた、人類は九百七十八(人間)世紀分の時間を猫にかまけて費してきているのだ」そうで、そこのところはともかく、町田康「猫にかまけて」を読んだ次の本に「猫にかまけて」のフレーズが含まれる本を手にする確率はどの程度のものなのか、なんにしてもちょっとうきうきしてしまうのだった。