昨日の夜のニュース番組、ノーベル賞発表の瞬間に書店に集ったハルキストたちが、ボブ・ディラン受賞を知ったときの能面のような顔が忘れられない。
帰り道の電車で横並びに腰かけた男子高校生3人組が、参考書をそれぞれにペラペラしながら駄弁っていて、森鴎外の血のつながった子孫が外国にいたりすんじゃね?とか、オーガイなら3日くらい勉強すれば東大はいれんじゃね?とか言っているのがおかしい。学生服ににきび面がよく似合っている。
- 作者: 酒井順子
- 出版社/メーカー: 芸術新聞社
- 発売日: 2016/06/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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著者が2年にわたって書道のお稽古を体験し、筆をもつ楽しさや写経の魅力、また王羲之や空海の書も独自の切り口で語ります。文字をテーマにしたエッセイも多数収録。芸術新聞社Webマガジンや『墨』連載を書籍化。
何年か前に急に思い立ってペン字練習をはじめたらハマってしまったけれど、生活がドタバタしてきてからはちっとも手をつけていない。そのころはちょっとはましな字を書いていたのに、いまは地のくせが隙あらばという感じで顔をのぞかせている。まえに字の練習をして分かったのは、きれいな字というのはかなり大胆でセクシーなのだということだった。叶姉妹の肉体のようなちょっとやりすぎではとビビりかけるくらいの曲線をなぞればよいのだけれど、体があべこべに凸凹しているせいなのか、どうしたって字まであべこべになってしまう。この本を読んでいたら、また無心な気持ちで字をなぞりたくなってきた。