まみ めも

つむじまがりといわれます

アレの名前大百科

フーちゃん、月曜の朝におっぱいをあげて、それから飲んでいない。月曜に帰ってから洗面所で鏡を見ながら両のおっぱいにキャラクターの顔を水性ペンで描いた。それを見せて、もうおっぱい飲まないよ、と伝えると、はじめあははと笑って、そのあとでやっぱり恋しいのとわけがわからないのだろう、甘えてすがってくる。ぱいぱい、とおっぱいをのぞきこんで、それで顔が描いてあるせいか吸いつこうとはしない。なんだかいじらしくなっていいこいいこをした。寝るときにも怒ったり泣いたりするのをなだめながら「ぞーたん」というので延々とぞうさんの歌をうたったらそのうち寝た。夜、何度か恋しがって起きて泣く。おっぱいはパンパンのごりごりになって、何度かしぼって捨てた。こちらも心と体が変化に追いつかず、乳は痛いしなんとなく切ないしでこれまで通りにごはんを食べていたらあっという間に1キロ増えた。フーちゃんのおっぱいをやめる話をしたら、はじめ、セイちゃんがめそめそして、もうおとなになるまであかちゃんがおっぱいをのむところをみられないっていうの?というので笑ってしまった。

ト。

食パンの袋をとめている凱旋門みたいなアレ、視力検査に出てくるC型のアレ、ひじ先をぶつけたときにビリビリするアレ…。ふだん目にしている「アレ」の名前をクイズで出題し、由来を解説する。

世の中のあらゆるものにきちんと名前があることにおどろく。おかげでまだまだ新しい名前に出会うことになる。名前がわかったときの、少しだけ世界が親しく確実なものになっていくような錯覚。このごろは鳥が気になって、みかけると名前を調べてしまう。ほっぺが紅をしたみたいに茶色く染まっているのはヒヨドリ。白と黒と茶色が鮮やかなのはヤマガラ。脚元が黄色いのはムクドリ。ツピーツピーと鳴くのはシジュウカラ。名前を知るとちょっとだけ仲良くなったような気持ちがする。そのくせ名前を調べても光のスピードで忘れてしまい、何度でも調べて何度でも忘れる。いつまでも本当に仲良くはなれない。おかげで一生暇つぶしができそう。