まみ めも

つむじまがりといわれます

カサンドラ・クロス

母方の祖母が亡くなったしらせが水曜の朝に入り、ばたばたと仕事のカタをつけて里帰り。ゴールデンウイークにじゃあねと別れ際に握った手の感触がばあちゃんのさいごだった。死化粧を施すとき、うぶ毛を剃刀で剃っていて、心臓が止まってもまだ毛は伸びるのだなと思ったら、ばあちゃんがいなくなったということがそくそくと迫るのだった。真っ赤なうめぼしを埋めたばあちゃんのおにぎりを、もう食べることがないのはわかっていたけれど、いよいよもう食べられなくなってしまった。ばあちゃん、96年おつかれさま。もうどきどきしても死ぬことはないので、思う存分相撲を見ていいよ。千代の富士もそっちにおるよ。

プ。1976年。

ジュネーブにある国際保健機構をテロリストが襲撃、アメリカが極秘に研究していた病原菌に誤って感染した1人が逃走し、ストックホルム行きの特急列車にもぐり込んだ。緊急事態発生にアメリカ陸軍情報部のマッケンジー大佐は、列車の乗客である名医チェンバレンに真相を明かし、協力を求める。感染を恐れ列車ごと隔離、ポイントを切り替えポーランドに向かわせるが、途中には老朽化した大鉄橋“カサンドラ・クロス”があった…。

ソフィア・ローレンから目が離せない。ラストのシーケンスはなんだかものすごくて、それまでの物語に潜むありえなさに対するさめた気持ちを黙らせるだけの迫力に満ちていた。