まみ めも

つむじまがりといわれます

親子の時間

もくれんが咲いたので春の始まりは終わった。ふたつ前の週末にこどもたち三人を連れて別所沼で今年はじめてのピクニックをした。おにぎりと枝豆とから揚げだけのお弁当、コンビニで一番搾りとおやつとミックスナッツを買った。結局それだけでは足りなくてバターチキンカレーをテイクアウトしてみんなで分けた。この季節になると、そわそわして、とにかく気候がいいとピクニックをやりたくなる。家の近場でかまわない。こどもたちがおにぎりを頬張っているのを見るとたまらない気持ちが湧いてくる。桜の開花がいまかいまかという具合で、今年は花見をやれるだろうか。

親子の時間

親子の時間

ト。

これまで発表された庄野潤三の単行本の中から、「親子」をテーマにした作品をまとめる。「食後の体操」「組立式の柱時計」「鍛冶屋の馬」など全9篇を収録。編者・岡崎武志による解説も掲載。
山茶花 p5-29
もくもく毛虫 p31-39
食後の体操 p41-49
凧 p51-60
組立式の柱時計 p61-86
餡パンと林檎のシロップ p87-112
甘えび p113-127
鍛冶屋の馬 p129-154
山の上に憩いあり−都築ケ岡年中行事− p155-265 

庄野潤三の似たようなことを繰り返し綴っている穏やかな世界がすきで、これは虚構だとどこかで思いながらこのありがたい家族のありかたを信じている。繰り返しのなかから浮かび上がる生の一回性、とうとさよ。解説で、岡崎武志さんが泣いたささやかなエピソードを読んだことで、個人的な感情のかけ算を通じていよいよ特別になってしまった。いつまでもお湯が沸くのを台所で見つめていたい。