駅の構内につばめが巣をつくっていて、朝、流線型の軌道が出たり入ったりしている。つばめを目で追えず飛翔の残像だけがみえる。通勤の途中に玄関先から二階のベランダまで薔薇が生い茂る家があって、少しだけ遠回りする。
異動した部署で、だれかのタイピングのミスから自然にお豆と呼ばれるようになった。伝言を残すときなど、豆と添える。タイピングのミスにはかわいさが宿っている。好きな豆は金時豆。
エフ本。
放浪の相場師、と呼ばれた男が、なぜか母さんに現金で5億円もの遺産をのこし、平凡な一家に暗雲がたちこめはじめる。壊れかけた家族の絆を取り戻すために、僕は親友の島崎と謎の解明に乗り出したが…。
島崎が中学生にしてはませすぎていて勝手に心配。