梅が散っている。鼻水とのどの違和感とそこはかとない悪寒があり、毎年のことながら、風邪をなのか花粉症なのか更年期なのかよくわからずにいる。せいちゃんが帰ってくるというので、朝のうちにふとんを全部ベランダにほして、庭でうっすら砂ぼこりをかぶっていた自転車を水拭きした。電話越しのせいちゃんは顔がまるくなっている。
卜。
日常の中でふと感じる孤独はどこからやってくるのか。どのように向き合えばよいのか。思想家、作家、冒険家など17人が、孤独について考える。
仏陀に学ぶ、単独者としての作法 齋藤 孝
孤独と追放-アルベール・カミュ最後の一〇年- 中条 省平
永井荷風-独身者の悦びと不安- 奥本 大三郎
孤独の詩を読む-ポオとラヴクラフト- 南條 竹則
サン=テグジュペリ-人生と思索を鍛え上げたもの- 鈴木 雅生
三木清と孤独 岸見 一郎
ソロー『森の生活』が語りかける声 新元 良一
孤独の哲学者ニーチェ 適菜 収
“孤独”を取り込み、自由に生きる 岸 惠子
引きこもり作家のリアル 田中 慎弥
「意識の孤独」の手綱を引いて生きる 高村 友也
隠遁者の孤独 林 望
孤独のゾンビ映画論 荒木 飛呂彦
ジョン・ル・カレが描くスパイの孤独 石戸 諭
サピエンス-孤独な種の恍惚と不安- 吉川 浩満
単独行がもたらす究極の孤絶 角幡 唯介
飲み会のときに、みんなが楽しく賑やかにしているとさみしくなる、とそっと打ち明けてくれた友だちのことを思い出す。